小沢一郎が批判する陸山会事件「石川元秘書有罪」は本当に検察べったりの判決なのか
〔PHOTO〕gettyimages

「三権分立を君はどう考えているの? ちゃんとよく勉強してよ!」

 強制起訴された「陸山会事件」の初公判で苛立っていた小沢一郎民主党元代表は、公判後の記者会見で「国会での説明責任」を問われると、記者を睨みつけながら強い口調でこう逆質問した。

 司法権は、法律に基づいて裁判を行う権利で裁判所がこれを持つ。立法権は、法律を作る権限で国会がこれを持つ。互いに独立していて、裁判官に問題があれば、国会は「弾劾裁判」を行い、国会の制定した法律に問題があれば、裁判所は「違憲立法審査権」によって判断を下す。

 弁護士を目指し、代議士になるまでは司法試験の勉強をしていた小沢氏は、この種の初歩的な法律知識のない記者は許せず、これまでもよく切れていた。

 だが、その司法権を担う裁判所が、ことに刑事司法の場において、独立した存在感を示していないことに、強い苛立ちを持っているのが小沢氏のハズである。

「司法秩序」に組み込まれた裁判所

 初公判の「意見陳述」で小沢氏は、検察をこうののしった。

「本件が特に許せないのは、国民の負託を受けていない検察が、議会制民主主義を踏みにじり、国民主権を冒涜したことだ。検察が捜査、逮捕権を乱用し、当時、野党第一党の代表だった私を狙って、強制捜査をした。(中略)恣意的な権力行使が許さるなら、民主主義国家とは言えない」

 この検察批判は、司法権の要である裁判所が検察の"暴走"を止めず、むしろ一体となって「司法秩序」を築いているという意味で、裁判所にも向けられるべきだ。

 有罪率99・9%という数字は、刑事司法の場において、裁判所が機能していないことを意味する。「起訴された事件は必ず有罪になる」というのでは、何のための公判かわからない。

 そうなったのは日本の法曹三者が、互いの利害を一致させ、癒着してきたからだ。

 検察は、自ら捜査する特捜案件も、警察からあがってくる事件案件も、吟味を重ね、必ず有罪にできるだけの証言と証拠を積み重ねたうえで起訴した。

 弁護士もまた、「起訴されたら有罪」を前提に公判対策を立て、執行猶予付き判決を狙った。刑事裁判におけるヤメ検弁護士の隆盛が、それを物語る。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら