スタートアップに求められる「課題発見力」

 ここ最近の動向を見ると、まさに日本でもスタートアップ花盛り、といったところです。

 「ブレークスルーキャンプ」などのスタートアップ支援プログラムや、「インキュベーター」と呼ばれる資金提供者の増加などを受け、数多くのウェブサービスが作られ、世を賑わせています。

 スタートアップが盛り上げるのは本当に素晴らしいことなのですが、一方で、誰にも使われないまま幕を閉じてしまう製品が数多く存在するのも、見過ごせない事実です。

 仮に「1万人に日常的に使われること」を成功の基準とするならば、成功していると言える製品は全体の1%に満たないのではないでしょうか。比較的容易に作れてしまうがゆえに、たくさんの製品が世の中に出て、使われないまま忘れ去られていくのです。失敗から学べることは多かれど、忘れ去られていくサービスたちを見ていると、時間と創造性が無駄になっているのではないか、とふと思ってしまいます。

 今日の記事では、そんな日本のスタートアップ市場に対して、僭越ながら意見を書きました。スタートアップに関係するお仕事をしている方は、ぜひお読み頂けると嬉しいです。

「解決すべき課題」を見つけるまでは製品は作らない方が良い

 私が市場を見ていて感じるのは、「課題ではなくアイデアから始まっている製品」が少なからず存在していることです。具体的に言えば「位置情報と音楽を組み合わせた面白いんじゃないか?」「位置を限定してQ&Aをやったら面白いんじゃないか?」といったような製品です。このような「課題ではなくアイデアから始っている製品」は、9割型失敗すると私は考えています。

 製品を作る上で、本来望ましいのは「世の中のここがおかしい!」という強烈な問題意識を感じ、その上で解決策(=ソリューション)としてのウェブサービスを作り上げることです。

 例えば、「シュアール」の創設者の大木さんは、手話サークルでの活動を通して聴覚障害者の方々の生活に触れ、「今の世の中はおかしい」という想いを抱き、その解決策として製品を作り始めました。彼らが生み出す「遠隔手話通訳ソリューション」「手話用オンライン辞典」は、聴覚障害者の方々の生活を一変させる力を持っています。

 「憤り」を抱いてしまうくらいの課題を見つけることができれば、自然と素晴らしい製品は生み出される、と言えるでしょう。「課題を発見するまでは製品を作らない方が良い」、これが私が今回の記事で主張したいことです。

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