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全勝を目指すとひずみが出る。だから座右の銘は「人生二勝一敗」です
タムロン 小野 守男


 『タムロン』は従業員約7000人、年間売り上げ566億円を誇る世界的レンズメーカーだ。社長の小野守男氏(63歳)は、高校卒業後に車のワイパーを作る会社で働き、26歳で同社へ転職。30歳で役員になる異例の出世を遂げ、'02年に社長に就任すると、約300億円だった売り上げを倍増させた人物だ。

全勝を目指すとひずみが出る。 だから座右の銘は「人生二勝一敗」ですおの・もりお/1948年、東京都生まれ。'66年に聖橋高校を卒業し、自動車のワイパーの工場勤務、不動産ディベロッパーの営業勤務を経て、'74年にタムロンへ入社、'78年に取締役、'87年に常務になり、2001年には副社長、'02年に社長へ就任。よく読む雑誌は『トップポイント』

大ヒット

 一眼レフ用のレンズが爆発的に売れています。70~300ミリという、高性能・高画質の望遠ズームレンズです。今まで10万円程度したものを4万9800円で売ったんです。

大胆不敵

 ズームが早く、音がせず、動画の撮影にも使いやすい。性能もプロから絶賛されているんですよ。

 なぜ半額にできたか? 私がもともと、10%とか20%の「革新」に興味がないからです。例えば日露戦争の時に飛行機があれば、あれほど血を流して旅順攻略をしなくてもよかったですよね? それなら飛行機を作るような革新を起こせばいい。逆に10%ほどの小さな伸びを求めても、今までの延長線上でしか対処しない。それでは新しいものは出てきません。

治る!

 生まれは東京です。子供の頃は人前に出るのが苦手で、恥ずかしがり屋な上、赤面症だったんですよ。

不純な動機

座禅 断食しながら、毎日15時間の座禅を3日続ける。ねむくならない。「叩かれる"警策"の時間は体を動かせるから、唯一の楽しみ」とか

 スポーツは得意で、バレー部や弓道部で練習に打ち込みました。あと、不純な動機でスケートも得意になりましたよ。

 中学の時に彼女に誘われ、今はもうない『池袋マンモス』というリンクへ行ったんです。ところが「ホント下手ねぇ」と笑われる始末で・・・。悔しかったから友人のインストラクターに習いに行って、「3日間で俺をプロにしてください!」とスピードスケートからフィギュアまで徹底的にレッスンしてもらったんです。そして何事もなかったかのように彼女を誘い・・・滑って見せたら驚いてましたよ(笑)。

孝行息子

 趣味は古銭収集です。私が生まれてからの硬貨はすべて集めたいと始めたんですが、いつしか江戸時代の大判まで集めるほどのめり込みました。田舎に行って、自分の足で集めます。

 以前、息子が埼玉の田舎の駄菓子屋に行き、「くじに当たった」と私に硬貨を見せてきた。「1000円で買ってやる」と言うと大喜びしてましたが、でもそれ、実は何十万円もする硬貨だったんですよ(笑)。

記念日

 家族は妻と息子です。妻とはなかなか一緒にいられないので、年1回はヨーロッパ旅行に、2回は国内旅行に出かけ、あと、誕生日と結婚記念日は大切にしています。