名門中高「授業についていけない子供たち」に退場勧告 開成・麻布・筑駒・栄光・早実・灘 ほか 知らないで入れるとひどい目に

2012年03月12日(月) 週刊現代

週刊現代賢者の知恵

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 早稲田大学までエスカレーターで進めると思われている早稲田実業学校も、中学から高校にあがる段階で「退場勧告」される場合がある学校だ。

 '10年度は卒業生388人中、382人が推薦で早大へ進学した。しかし以前は 、現在のようにほぼ全員が進学できるわけではなかった。学校の中では、激しい競争が行われていたのだ。30代の早実OBが語る。

浮き上がれない「深海魚」

「私の時は全体で7割が早稲田大学に推薦入学できたのですが、一学年の約500人のうち150人くらいは推薦がもらえないわけです。そういう人間はランクが下の大学に行くか、フリーターになった人もいましたね。

 早実では高等部1年の春から、テストの成績がずっと累積され、その点数が高い人から推薦が決まっていく。悲しいことに、この方式だと、高1の秋のテストが終わったあたりで、自分はかなり頑張らないと推薦がもらえないという予想がついてしまう。 しかも、そういう生徒は、教師も授業中にあてたりしない。そんな空気のような存在の生徒が、学年が進むに連れてどんどん増えていくのです」

「退場」させられなかった生徒たちの中にも、辛い思いをしている人たちがいる。名門校に入学した最初のころは意気も高かったかつての神童たちも、授業についていけなくなると、気持ちを立て直すのは難しい。中学受験指導塾スタジオキャンパス代表の矢野耕平氏はそうした生徒たちを数多く見てきた。

「特に、開成、麻布などのブランド校では、入学後、学力的にも精神的にも崩れてしまう子供がいます。中高一貫校だと6年間をそこで過ごすわけですが、ほとんどの場合、一度沈んでしまうとずっと成績上位にあがって来られない。そのような生徒 は『深海魚』と呼ばれています」

 光の届かない海中深くに潜み、決して浮上することのない深海魚---何とも悲しいネーミングだ。

 麻布学園は、名門校と呼ばれるなかでは自由な校風で知られる。進路をうるさく指導することもなく、東大一辺倒というわけでもない。それでも今年も79人もの東大合格者を生み出しているところはさすがに秀才があつまっていると感じさせる。しかし、当然ながらそこにも「深海魚」はいる。15年前に麻布を卒業した男性はこう話す 。

「麻布は本当に自由で、勉強ができなくても部活などで友人と楽しく過ごしている生徒がほとんどです。それでも、卒業アルバムに『俺には麻布みたいな進学校はあわなかった』『麻布に来ていいことなんか何もなかった』などと書いている人が何人かいる。そういう人たちって、どのクラブだったとか、友人といた姿も思い出せないし、全く印象に残っていないんですよね」

 なぜこのような悲惨な状況が生まれてしまうのか。その原因の一つを、ある名門校の教師はこう明かす。

「小学6年生の1月、学校に行かず受験勉強に専念する生徒がいるんです。1月までには中学校への提出書類は出来上がっているので、出席日数はもう関係なくなっていますから。ですが、そうやって付け焼き刃の受験勉強で入ってきた生徒は、必ず落ちこぼれます。カリキュラムの進む速さについてこられないんです」

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