白川日銀総裁「WSJインタビュー」のお粗末な中身
日銀の海外広報も失敗に終わった

 6日、前原誠司外相が辞任し、政局が混沌してきた。

 こういう政治空白の時ほど、重要なのは経済政策だ。先進国では、変動相場制で金利が自由化されているので、マクロ経済政策として金融政策のほうが財政政策より効果があるので、金融政策重視になっている(財政政策の併用はもちろんあり)。だから、政治空白でも、中央銀行がしっかりしていれば問題は少ない。

 そこで日銀はどうだろうか。世界的な経済学者である浜田宏一イェール大学教授へのインタビュー「経済学の現実を無視する菅内閣と日本銀行が国を滅ぼす」が多くの話題を集ている。それを補完する意味で、浜田先生から話を伺った後の最近の日銀の話を書いてみよう。

「デフレの正体」の正体

 浜田先生が危惧していたように、日銀はしっかりした金融緩和を怠り、マスコミ向けに言い訳ばかりしている。その代表例が、2月7日、日本外国特派員協会における「日本経済の復活に向けて」との講演だ。

 そこで、白川総裁は、「90年代末以降における緩やかながらも長期に亘るデフレ傾向は、短期・循環的な要因だけでは説明できません。より根源的な原因は、日本経済の成長力の趨勢的な低下傾向にあると判断しています。成長率が長期に亘って低下する状況の下では、人々の所得増加期待は低下し、企業や家計の支出活動が抑制されてしまうため、物価下落圧力が続きます」と述べ、デフレは日銀では解決できないと話している。

 人口減少がデフレの要因だという「デフレの正体」という本があるが、著者もいっているように、その本の「デフレ」は真の意味ので「デフレ」ではない。「デフレ」とは、すべての財の平均であるマクロの物価の下落であり、一部の耐久消費財の価格の低下でない。マクロの「物価」とミクロの「価格」の混同である(ほとんどのマスコミも混同している! )。

 世界のデータを見ても、一般物価増減については、人口増減とはまったく関係がなく、通貨量と関係がある(下図参照)。

 特に、リーマンショック以降、先進国では通貨量を増加させて、予想インフレ率を高めている(下図参照)。その結果、実質金利(名目金利-予想インフレ率)を低め設備投資を増加させ、通貨安にして輸出を伸ばし、資産市場も活況になって、経済を回復している。

 というわけで、白川総裁の講演はまったく言い訳になっていない。それは通用するのは国内のマスコミだけだろうと思っていたら、やはりそうだった。

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