渡邉美樹インタビュー「ブルームバーグNY市長に学び、『東京都の経営』をガラス張りにします」
都知事候補に60分、まるまる聞く 第2回 聞き手:長谷川幸洋
(左)ワタミ株式会社前会長の渡邉美樹氏と(右)長谷川幸洋氏

第1回はこちらをご覧ください。

長谷川: 東京都の予算は約13兆円ですね。ご存じのように東京都は地方交付税をもらっていない不交付団体です。日本では、ほかに愛知県、時々名古屋市くらいしかなく、ほとんどの自治体は財政赤字を抱えていて、国から交付金をもらわないと成り立たない状態になっている。私は東京は豊かであるがゆえに、相当な無駄や非効率な部分が残っているのではないかと思っています。フタを開けてみたわけではないのでよく分かりませんが、そのあたりはどう思っていますか?

渡邉: 私もフタを開けてみたいですね。これまでの経験からして、何もしないと組織というのは管理部門がどんどん増えていくんですよ。管理部門の人たちは仕事を作り出す天才ですから。

 だからワタミでは、3年に一度、仕事をゼロから見直してもう一度組み立てるんです。「なかったらこの会社がつぶれる、なかったら皆が困る」という仕事だけ残して組み立て直していくと、かなりの仕事が削れるんですよ。

東京都は「宝の山」なんです

長谷川: これまでも相当削ってきたんですか?

渡邉: はい。3年ごとにボロボロ削ります。じゃなかったら、27年間増収増益はできないですよ(笑)。そんなに甘くないです、経営というのは。

 フタをあけないと、東京にムダがあるのかないのか分かりません。でも、無駄というのは基本的にあるものなんです。これまで色々な会社を買収してきましたが、どの会社も3割くらいは無駄な仕事をやってるんですよ。

 そして、残りの7割に関しても、現状の7割くらいのコストでおさまるんですよ。ということは、全体の半分で経営できるわけです。

 そうやって余った半分は企業ならば利益になりますが、行政ならばそれをもっと本当に困っているところに使えるわけですよ。その意味では、東京は宝の山みたいな感じがするんです。だから都知事をやらせてほしいと思うわけです。

長谷川: 任期は4年間。長いようで短いと思います。まず、「ガラポン」を手がけられるつもりですよね。民主党も同じようなことを言っていましたが、結局やりきれなかった。当選したら、ムダな事業の見直しをゼロから始めるとのことですが、イメージ的には4年間の仕事をどのように考えていますか?

渡邉: 今から準備しています。3月の中旬までにマニフェストをまとめようと思っているんですが、「無駄を削れば、少なくとも1兆円とか1兆5000億円とか何とか捻出できそうだ」と約束したいんですよ。具体的に約束しないと、都民に「"経営"をしたら何がいいのか?」と思われてしまうので。

 都知事にならせていただいたら、実際に現場と数字を照らし合わせながらこれを実行していく。そのとき大事なのは、「信」を取り戻すために、それを全部ガラス張りすることです。たしかに東京都は、複式簿記、発生主義会計にしました。ですが、これは企業では当たり前ですよね。しかも、バランスシートとなると、東京都でさえも見えにくいです。この国は政治が見えにくい。今回私はいろいろ調べましたが、分からないことも多かったんです。

長谷川: 国庫だって「埋蔵金はない」と言っておきながら毎年埋蔵金が出るのがその証拠ですね。ガラス張りだったら埋蔵になっているわけがない。

渡邉: そうですよね。ガラス張りじゃないから信用がないんです。

 先日、ある経営者の方がインターネットでニューヨーク市の経営情報を取り寄せたんです。ニューヨークは、もともとは経営者だったブルームバーグ氏が市長を務めていますが、経営情報を取り寄せると、業務計画、予算、月次決算報告がそのまま出てくるんですよ。これにはビックリしました。企業のようですよね。しかも誰もが見れるようにしている。これが東京にも必要だと感じました。

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