雑誌
いまそこにある「世界恐慌」
各国のトップを連続直撃!
ギリシャ破綻世界同時株安
ユーロ・ドル大暴落スペシャルレポート

〔PHOTO〕gettyimages

 各国の経済界首脳は、本誌の直撃取材に口を揃えてこう言う。「欧州、世界経済はいま、最大の危機を迎えている」と。そして、こうも続ける。「中国・インドに頼るしかない」。これが世界の本音である。

リーマン・ショックより深刻

「1930年代の欧州危機の際、チャーチル首相は、『政治家が決意を持って不決意をした時代』と評した。過去の轍を踏まず、欧州の政治家がリーダーシップを発揮すべきだ。ギリシャをデフォルトさせてはならない。政策協調に向けた世界的な協定が結ばれない限り、欧米では低成長が10年間は続くだろう」

 9月中旬、中国・大連で開催された世界経済フォーラム主催の国際会議「ダボス会議」に出席したゴードン・ブラウン前英国首相は、衝撃的な発言を連発した。ギリシャ経済破綻、ユーロ危機、そして世界同時株安。まるで明日にも崩壊してしまうのではないかというほど、世界経済はいくつもの難題を抱えているが、「欧州随一の経済通」と呼ばれるブラウン氏がこう嘆くように、ヨーロッパ諸国もアメリカも〝お手上げ状態〟になっている。

 ブラウン氏は会議の席で、さらにこう続けた。

「今回の欧州危機は'08年の世界金融危機よりさらに深刻である。いまのEUにはコンセンサスというものが欠けている。問題を封じ込めるだけの余力が各国政府には、もうない」

 世界経済は第二次大戦後最大の危機に見舞われているとの認識を示したのは、ブラウン氏だけではない。この国際会議に出席した各国の首脳・経済界のトップのほとんどが、ブラウン氏に同調している。

ギリシャでデモに参加する市民。経済崩壊のカウントダウンが始まっている〔PHOTO〕gettyimages

「団結か離婚か。いま、EU最大の危機が起こっている。本来なら2年前に対処しておくべきことだった。もしギリシャがデフォルトすると、その衝撃がEU全体に広がる。オランダが発案しているように、EU財務相ポストを新設して、EU各国から財政の主権を奪うのも手だ。IMFの介入も不可避かもしれない」

 ベルギーのクイッケンボーン経済相の発言からもその危機感が伝わってくる。

 '07年より毎年9月に開催されるようになった「夏のダボス会議」。今年は14日から16日の3日間の間に158ヵ国から1530人の経済のプロフェッショナル達が集まり、延べ110個のセッション(討論会)が開かれたのだが、このセッションを覗いてみると、世界がいまとんでもない危機に直面しているのだということを思い知らされる。引き続き、各国首脳がセッションで発した言葉を見てみよう。

「再び先進国のやっかいな問題で新興国が悩まされている。インドと中国は、アジア全体がEU危機をどう回避するかを早急に話し合うべきだ。特に、ハイパー・インフレがアジアを襲う懸念がある」(シン・インド国会議員)

「EUは政治家のリーダーシップがなさすぎる。なぜ2年間も危機を放置しておいたのか。いや、10年前の通貨統合の時、なぜもっと対応策について詰めておかなかったのか。思えばいまEUで起きている危機は、新興国家が'80~'90年代に克服してきたことではないか」(ローズ元シティバンク会長)

 ヨーロッパにはもう打つ手がない。ローズ氏の発言にはそんな諦めの念が滲み出ている。

 手詰まり状態のなか、欧米の首脳クラスや経済界のトップはアジアに救いを求め始めた。このダボス会議で、中国・インドをはじめとする新興国に頭を下げて支援を要請したのだ。

 9月14日朝、ダボス会議は温家宝首相の基調演説によって幕を開けた。これで温首相は5年連続の参加となる。'08年秋にはリーマン・ブラザーズが破綻してアメリカの金融危機が広がる中、温首相は「夏のダボス」の会場で、「中国は世界経済に対して責任を果たす」と宣言。実際、中国はその直後に4兆元(約50兆円)に上る緊急財政支出を発表し、世界経済復興の牽引役となった。

 そのため今回も、世界各国の参加者たちは、温首相の発言に傾聴した。開幕式の司会を務めた、ダボス会議創始者のシュワブ総裁は、わざわざ「温総理閣下」と紹介し、全員がスタンディング・オベーションで出迎えたほどだった。

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