JR新小岩「死を誘う危険な駅」の秘密2ヵ月あまりで5人が成田エクスプレスに飛び込み! 他社との時短競争に湾曲ホーム・・・魔の空間の謎に迫る

2011年10月08日(土) フライデー

フライデー経済の死角

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 確かに、多くの乗客で溢れかえるホームの中で自殺しようとする人を視認し、行動を起こしたら即座に駆け寄って摑まえるというのは至難の業だろう。

 では、駅員が望むように、せめて駅を通過する時だけでもスピードを落とせないのだろうか。〝徐行〟は難しいとしても普通列車並みの速度にまで下げれば解決できるように思えるが・・・・・・。残念なことに、現実的に不可能なようだ。

「なぜ時速120km/hという猛スピードで駆け抜けるのか---、その背景には『スカイライナー』(京成電鉄)との競合があります。空港行きの特急列車は、とりわけ所要時間の短縮を求められます。それはJRや京成に限った話ではなく、各社とも1分1秒を縮めるのに必死なわけです。最高速度を時速160km/hに設定し、日暮里―成田空港間を最短36分で結ぶスカイライナーに対して、最高速度130km/hのNEXは東京―成田空港間を最短でも53分。顧客満足度で大きく差をつけられているのです」(前出・川島氏)

 熾烈な〝時短競争〟がある以上、みすみす速度を下げるわけにいかないというのが現状なのだ。だが、新小岩駅の通過スピードが特に速いのは何故だろうか。

「近隣の総武線快速停車駅を見てみると、市川駅(千葉県)には追い越し車線があり、NEXはホームを通過しない。錦糸町駅(墨田区)では新小岩と同じようにホームを通過しますが、東京駅から来たNEXは地下の線路を走ってから地上に上がってきて、すぐ錦糸町駅を通過する。その時点ではまだスピードが上がりきっていないのです」(鉄道雑誌ライター)

 駅を通過する際の列車の速度は、その前後のアップダウンによって決まる。駅周辺の線路状態が平坦な新小岩駅は、スピードを出す〝好条件〟を満たしていたわけだ。

 さらに、ホームそのものの形状にも問題があるという見方がある。「3、4番線のホームは緩やかに湾曲しています。特に、弓なり状の〝外側〟にあたる4番線は、ホームの中間地点に立つと先端が見えない。つまりNEXの運転士からも、駅に差しかかった時点では自殺しようとする人を視認できないんです」(沿線在住の鉄道ファン)

 確かに、1人目の自殺者こそ3番ホームからの飛び込みだったが、それ以降の4人はいずれも4番ホームの中央付近から飛び込んでいる。より確実に死ねる手段を選択したと見ることができそうだ。

「列車への飛び込み自殺が報道されると、同様の自殺が増える---というデータがあります。最近の新小岩駅の場合だと、1件目の事故がニュースで大きく報じられ、かなり話題を集めました。その翌日の2件目の事故で飛び込んだ人は、前日のニュースを見ていた可能性が高い。さらに3人目、4人目と続き〝自殺の名所〟が生まれる。よく『年末の中央線は飛び込み自殺が多い』と言われますが、これも同じような理由で定着していった経緯があります」(前出・川島氏)

 抑止策はないのだろうか。すぐ思い浮かぶのはホームドアの設置である。JR東日本に問い合わせると、「現在、人員を増やしてホーム上での巡回を強化しています。ホームドアの設置計画については未定です」(広報部)

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