アナリストが太鼓判を押す株を
買ったら本当に儲かるのか?

ウォール・ストリート・ジャーナル USA

 株を売買するとき、専門家の市場予想をアテにする人は少なくない。
プロのアドバイスほど心強いものはないように思えるが・・・。

 テレビの経済番組やマネー系の雑誌などで、金融アナリストが「この株は買い」などと紹介しているのを見たことがあるだろう。でも本当に信じてよいものだろうか。もしアナリストの予想が当たるなら、誰だって簡単に儲けられるはず・・・。

 真偽を確かめるべく、金融ジャーナリストのブレット・アレンズが情報大手トムソン・ロイターからデータ提供を受けて、ウォール街のアナリストたちによる過去数年分の予想データを分析してみた。

 まず、アナリストが昨年初めに「今年値上がりする株」として最も高い評価をつけた銘柄10社が同年末時点でどうなったかを見てみよう(調査ではS&P500種株価指数の構成銘柄のうち、アナリストが出した「絶対買い」あるいは「買い」の評価を数値化して、平均点が最も高い銘柄を抽出した)。

 結果は、S&P500種が昨年1年間で13%しか上がっていないのに比べ、アナリストが推奨した銘柄10社は平均24%上昇した。2010年の初めに100万円を投資していたら、1年後に124万円に増えていた計算になる。アナリストの実力、噂にたがわずといったところか。

 では逆に、アナリストが「買ってはいけない」と評価した銘柄10社はどうか。さぞかし大損しただろうと思うかもしれないが、なんと結果は32%のリターン。アナリストの推奨銘柄よりも値上がりしたのだ。

危機のときは頼りになる?

 同じように2009年の場合を見てみると、推奨銘柄は22%のリターンと上出来だが、この年、S&P500種は26%上昇している。さらにアナリストが「買ってはいけない」と落第点をつけた銘柄10社については、70%という脅威の高リターンを上げた。

 これはただの偶然だろうか。気を取り直して、金融危機があった2008年を見てみよう。アナリストの予想は、不況のときこそ資産防衛に力を発揮するに違いない。この年、S&P500種は39%下落。市場連動型のファンドで運用していた投資家にとっては手痛い一年となった。

 アナリストの推奨銘柄10社はどうかというと、48%も下落。市場連動型ファンドよりも下げ幅が大きかった。一方、「買ってはいけない」銘柄は平均51%の下落。たしかに推奨銘柄のほうがマシだが、たった3%の違いしかなかったとも言える。

 この結果をどう見るか。ひとつ言えるのは、アナリストが「優良」と見なすような銘柄は投資家たちも買っていて、充分に値上がりしているということだ。

ウォール・ストリート・ジャーナル

 一方、プロのファンドマネジャーでも持ちたがらないほど危ない株はすでに底値をつけている可能性がある。つまり、評価の低い企業は予想以上の業績を上げれば簡単に株価が上がるが、人気企業は期待値がもともと高いためにそれ以上の結果を出すのはなかなか難しいというわけだ。

 今回の調査では現在のS&P500種構成銘柄を対象としており、すでに倒産したか指数から外れた銘柄は対象となっていない。また検証対象となったサンプル数も少ないので、一概にアナリストは信用できないという結論を導き出すのは拙速だろう。とはいえ、投資判断はやはり自己責任で、というのが大切なようだ。

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