口座がない低所得者を狙う
大手スーパーの"銀行業"

ワシントン・ポスト(USA)より USA

2011年03月22日(火)

「キャッシュが欲しければ近くのスーパーへ」---。
小売大手の金融サービスが低所得層の人気を集めている。

 米国では、銀行口座を所有していない、またはめったに利用しないという家庭が、約3000万世帯ある。最近こうした世帯のあいだで、地元の大規模小売店が展開する金融サービスの利用がますます広まっている。

 たとえば、ウォルマートの金融サービス「マネーセンター」は、全国1500ヵ所に拡大している。小切手の現金化や送金など、マネーセンターで行われる取引は、毎週約500万件におよぶ。また、家電量販店ベストバイは、光熱費や電話代などを支払えるキオスクを店内に設置している。

 スーパー大手のKマートも、一部の店舗で金融サービスを導入しており、年内にはこれを全国展開する計画だ。Kマートが金融サービスを展開するようになったきっかけは、不況が始まった頃に導入した「購入予約制度」だ。多くの買い物客は、クレジットカードの負債額が増えるのを避けるため、頭金を払って商品を取り置いてもらうこの制度に飛びついた。利用者が多かったため、Kマートは年間を通して継続することにしたのだ。

 次に、Kマートは小切手を現金化するサービスを設けた。さらに、現金をプリペイドカードに入金したり、公共料金を支払ったり、国外の家族に送金したりすることも可能にした。

ワシントン・ポスト(USA)より

 こうした動きの背景には、金融危機発生後の金融規制強化がある。小切手を振り出せる当座預金口座などは、手数料の引き上げにより、金銭的に苦しい家庭にとって手が届かないものとなってしまった。

 銀行口座を持たない消費者を対象とした金融サービスの市場規模は、3200億ドル(約26兆円)に上るとされる。消費者団体は、こうしたサービスは手数料が高く、情報公開も進んでいないと批判している。

 だが、かつては小規模経営のサービスが多かったが、現在は大手が参入しており、事情が変わっている。たとえば、すでにウォルマートは小切手の換金やプリペイドカードの手数料を引き下げている。今後も、こうした金融サービスの利用が拡大しそうだ。

 

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