磯山友幸「経済ニュースの裏側」

超党派議員43人が参加--「日の丸、君が代、靖国神社だけではない『保守』の本質」を田中康夫に聞く

「消費税、放射能、公務員」で政治家は分かれる

2011年10月05日(水) 磯山 友幸
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 「日本を根っこから変える保守の会」という超党派の議員連盟が発足、42人近いメンバーが集まった。会長は自民党の塩崎恭久氏(元官房長官)で、幹事長に松野頼久氏(民主党国対副委員長)、副会長に浅尾慶一郎氏(みんなの党政調会長)や下地幹郎氏(国民新党幹事長)などが就いた。安易な増税に頼らず、経済成長や行政改革を優先することや、公務員制度改革や地方分権の推進、安全保障の観点を入れたエネルギー政策などを共通項に党派を超えて集まった。

保守の会幹部名簿
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 どちらかというと保守とは無縁と見られてきた政治家が多く集まっている。党派の壁を超えて終結したキーワードがなぜ「保守」なのか。会長代行に就任した田中康夫・新党日本代表に聞いた。

形骸化する保守のスローガン

 ---田中康夫さんや塩崎恭久さんが集まって「保守」というと意外感があるように思います。なぜ保守なのですか。

田中: 日の丸、君が代、靖国神社を「旧来型保守の3つのアイコン」と私は呼んでいます。

 日本ではこの3つを声高に唱えるのが保守であるかのように思われてきました。しかしこれは、9条護憲、絶対平和、公平平等と叫びさえすれば革新だと思い込んできた人たちと同様、形骸化したスローガン=御題目となってはいないでしょうか?

 「保守」とは本来、愛する家族や親しき集落に根差した哲学というか理念を抱いて、それぞれの地域で真っ当に働き・学び・暮らす人々に勇気と希望を与える、絶え間なき変革に向けての行動を指すのだと思います。イデオロギーに縛られた空理空論が保守ではないのです。

保守の会設立趣旨
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 一方で革新も、大衆運動と言いながら実際には、選ばれし労働貴族が集う組合という組織に立脚した既得権益集団となりがちでした。

 その集大成が、ケーススタディ通りに物事が展開すると信じて疑わぬ松下政経塾と、同じく運動方針通りに物事を運ばせようとする連合が合体した野田佳彦内閣ではないかという気がしています。

 ---保守主義が形骸化している、と。

田中: 人間主義と行為主義という考え方があります。人間主義というのは銀行の査定のようなものです。どんな職業の、どういう役職で、年収はいくらでという項目が判断基準になる。人間の中身よりも外側の「ブランド」で判断しようとする。警察が検問するときに左ハンドル車でネクタイ締めている人は停めないのに、長髪の若者が運転するワゴン車はトランクまで開けてしまうのと同じですね。でも、銀行の査定では「安心」だったはずの人間が悪さをしていたり、事なかれで世の中を変革できなかったりするものです。

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