退陣か、解散か、分裂か?「6月政局」を占う3つの要素
政界再編は与党から起きる

 菅首相の政権運営は厳しさを増している。予算案は、今週には衆議院から参議院に送られてくるが、予算関連法案の行方は不透明なままである。とりわけ、公債特例法案、こども手当法案などが通らなければ、予算の執行ができず、国民生活に大きな影響を及ぼす。

 内閣の最大の仕事は、予算を作ることである。それができないのなら、首相は退陣し、自分の首と引き替えに局面を打開すべきだという意見が、渡部恒三議員のように党内から出てきても不思議ではない。また、亀井国民新党代表は、内閣改造して救国内閣を作ることを提案している。

 問題は、今の民主党執行部に、これら長老議員のような危機感がないことである。安住国対委員長の対応を見ていると、国会対策の何たるかが分かっていないし、大人の対応ではない。これでは、野党をますます離反させるだけである。

 民主党執行部は、「国民生活を犠牲にして、野党は反対ばかりするのか」というマスコミの声が強まって、最後には問題は解決するという楽観論がある。しかし、国民はそんなに甘くない。

 そしてまた、予算関連法案についても、通らなければ通らないで、財務省が何とかしてくれると思っている。これも楽観論の根拠となる。もちろん、つなぎ法案など、財務官僚には知恵はあるが、しかし、これでは役人に丸投げであり、「政治主導」というかけ声がむなしく響く。

 民主党内の亀裂も深刻さを増している。16人の造反議員に加えて、小沢一郎氏に近い松木農林水産政務官が辞任した。政党としての体をなしていないと言わざるをえない。

 今後どうなるのか。菅首相の退陣か、もしそうならば、後継者は誰か。解散総選挙になるのか、なるとすればいつか。民主党は分裂するのか。これらの問に答えるためには、いくつかの要因をおさえておく必要がある。

 第一は、内閣支持率である。直近の世論調査では、20%を割っているものがあり、16%という数字すらでている。この数字がさらに下がり、10%以下になるようだと、政権に赤信号が灯る。「支持率が1%になろうとも政権を維持する」と、菅首相は公言しているが、一桁台の支持率というのは森内閣末期の数字であり、政権にしがみつくことは不可能であろう。

小沢氏の仕掛けはあるのか

 第二の要因は、反執行部、つまり小沢一郎グループの反撃力である。政界再編は、野党からではなく、与党から起こる。あるいは、与党からしか起こらないと言ってもよい。かつて宮沢内閣に対する不信任案が可決されたのは、小沢氏のグループが自民党内部から反旗を翻したからである。

 今回は、それと同じことを起こすのは容易ではない。起訴され、しかも国民の支持がない小沢氏が反撃できる余地はあまりない。しかも、小選挙区制であり、個々の議員にとっては、大政党を出ることは選挙での敗北を意味しかねない。大胆に行動する政治家は限られてくる。

 これは、私自身が新しい政党を作ったので、誰よりもよくわかることである。ただ、そのような制約の下でも、小沢氏が何らかの仕掛けをくりだす可能性は皆無ではない。河村たかし氏らの地域政党との連携なども、そのような手の一つであろう。

 第三は、統一地方選挙である。現状では、民主党の大惨敗は確実であろう。そうなったときに、党の執行部はどのような責任をとるのか。これまた、政党のガバナンスが問われることになる。統一地方選挙の第二ラウンドが終わると、5月の連休であり、6月中旬には通常国会の会期末を迎える。その頃には、大きな政局となっているであろう。

 世界は、中東に見られるように大きく変化している。そのような中で、日本の政治は、まさに閉塞状態にある。どうすれば局面を打開できるのか。やはり、解散総選挙をして、突破口への糸口を見つけるべきではないか。そんな気がする昨今である。

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