北京のランダム・ウォーカー

ネットオークションで『不動産偽装結婚』まで横行する北京バブルの「もぐらたたき」

2011年02月28日(月) 近藤 大介
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〔PHOTO〕gettyimages

「中国ビジネスは、際限のないモグラ叩きと、際限のないジグゾーパズル解きの連続だ」---数日前、中国ビジネス30年という、ある北京在住のベテラン商社マンと、「国貿三期」(北京最高層ビル)にオープンして間もない『福臨門』(香港最高級レストランの支店)で舌鼓を打った折に、彼がふと吐いた'名言'が、耳にこびりついて離れない。

 実際に現地でビジネスをやってみると痛感するが、毎日毎時毎分が、山あり谷あり、一難去ってまた一難。予想だにしない大小様々なリスクやニュースが四方八方から飛び込んできて、その度に、ビジネスへの影響を考えて右往左往する---。そんなことの連続なのだ。

 2月16日、北京市政府は、折からの不動産価格の高騰を受けて、次のような驚くべき措置を発表した。

1.すでに2軒以上の住宅を保有している北京市民の家庭は、それ以上、購入してはならない。
2.すでに1軒の住宅を保有しているか、まだ保有していない北京市民(北京戸籍保有者)の家庭は、1軒のみ購入してよい。

3.すでに1軒以上の住宅を保有している北京市民以外(北京戸籍非保有者)の家庭は、それ以上、購入してはならない。

4.まだ住宅を保有しておらず、かつ5年以上連続で北京市に所得税を納税している北京市民以外の家庭は、住宅を1軒のみ購入してよい。

5.まだ住宅を購入しておらず、かつ所得税の納税期間が5年未満の、北京市民以外の家庭は、住宅を購入してはならない。
6.2軒目の住宅を購入する場合は、頭金を総額の6割以上払わねばならず、住宅ローンの利率は、基本利率の1・1倍より低くしてはならない。

 北京の不動産バブルは青天井で、ついに1平方メートルあたり15万元(1元=約12・6円)を超えるマンションも出現した。中国のマンションは廊下などの共有部分も含めた建築面積表示なので、このマンションの場合、100平方メートルと表記されているマンション(実際の占有面積は約80平方メートル)が、2億円近くすることになる。

 私がいま住んでいるマンションの、道を挟んだ向かいの『長安8号』というマンションも、まだ基礎工事中だというのに、すでに1平方メートルあたり10万元近くまで高騰している。GDPばかりか不動産価格も、すでに東京を凌駕しているのだ。

 こうなってくると、平均所得がわずか3000元の北京市民は、占有面積50平方メートルのマンションを購入するために、飲まず食わずで給料の全額をマンション購入資金に注ぎ込んだとしても、250年! もかかることになる。つまり、北京市民にとって、マンション購入は、すっかり高嶺の花と化しているのだ。

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