独裁者への辞任勧告 「小沢秘書軍団」の秘書頭・樋高剛代議士を直撃 解剖小沢一郎 第3弾〔取材・文 松田賢弥〕

2010年02月12日(金) FRIDAY
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 私はこの件を樋高に問い質した。

あなたも秘書邸に住んでいたのか。

樋高「何年も前のことですから・・・」

家賃は払っていたのか。無償か。

樋高「忘れてしまいました」

実態は陸山会の"出張事務所"だったのではないか。

樋高「忘れてしまった・・・」

 石川らの逮捕容疑に登場する4億円は、樋高が住んでいたものとは別の秘書邸(深沢8丁目)を建てるために使われた。小沢にとっても秘書にとっても、秘書邸の存在はタブーなのである。その購入資金の原資は不透明であり、現在、捜査のメスが入っている。20年にわたり秘書として小沢に仕えた元衆院議員の高橋嘉信は、私にこうはっきり言った。

「小沢の秘書は、どんなに細部に至るまでも、小沢の命令で動いているのです」

 資金の全貌を知るのは、小沢ただ一人。そして、小沢の次にカネの流れを熟知するのは―。石川や大久保以上に知る人物について、特捜部が関心を示さないことが、私には納得がいかない。

 2月1日、小沢が初めて自らの責任について言及した記者会見に、樋高も同席していた。会見直後、樋高を直撃した。

4日に石川代議士が起訴される見込みだ。樋高さんは小沢家に住み込み、秘書として付き合いが長い。あなたは小沢の言葉を信じているのか。

樋高「この後、神奈川で(民主党県連の)パーティがあるので・・・」

樋高さん、あなたは特捜部の取り調べを受けているのか。

樋高「(エレベーターに乗り込みながら)体に気を付けて」

 石川の起訴により、小沢は潔く幹事長を辞任すべきだろう。しかし、小沢の権力への執着は異常だ。大久保が逮捕された際、小沢は代表の座を降りたが、選挙担当の代表代行として背後から権力を振るえる地位を手放しはしなかった。

「幹事長を辞任して禊ぎを済ませ、幹事長代理として参院選を仕切るというシナリオが漏れ始めました。後任の幹事長には、輿石東(党参院議員会長)や細野豪志(党組織・企業団体対策委員長)の名前が挙がっています。傀儡にできる親小沢議員ばかりです」(全国紙政治部記者)

 忠実なる秘書たちが、小沢の最後の砦となっている。   (文中一部敬称略)

取材・文:松田賢弥(ジャーナリスト)
まつだ・けんや 1954年、岩手県生まれ。業界誌記者を経てジャーナリストに。『週刊現代』を中心に政界の暗部を描く。主な著書に『無情の宰相 小泉純一郎』、『小沢一郎 虚飾の支配者』(いずれも講談社刊)

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