町田徹「ニュースの深層」
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「第3者委員会最終報告書」発表延期の一方で、資金繰り難や電力料金値上げなど「東電擁護」報道が続出した裏事情

一企業への公的支援は「禁じ手」

2011年10月04日(火) 町田 徹
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 典型的なリーク報道の弊害が浮き彫りになったということなのだろうか。

 先週、東京電力の経営の実態を調査してきた政府の第3者委員会の報告書の公表が先送りされる中で、その最終報告案について、新聞各紙がスクープ合戦を繰り広げた。

 そして、その報道ぶりには、東電の資金繰りが深刻であり、政府による支援や電気料金の引き上げが急務であるかのように印象付けるものが目立ったのだ。

 東電の擁護を目論む当局が、世論の支持を取り付けるためにプロパガンダを繰り広げようと、発表を先延ばしして時間稼ぎを目論んだのではないか、と訝った読者も多いのではないだろうか。

 今週は、こうした報道の問題と、現時点(10月2日の本コラムの執筆段階)では最終報告書に盛り込まれるかどうかが不明の東電と経済産業省の歴史的な怠慢に関するけじめを考えてみたい。

なぜ取りまとめが10月になったのか

 先週もこのコラムで取り上げたが、リーク疑惑の渦中にあるのは、菅直人前政権が今年5月の閣議決定で首相のお膝元の内閣官房に設置した「東京電力に関する経営・財務調査委員会」(委員長・下河辺和彦弁護士)である。

 この委員会は、「原子力損害賠償支援法」(当時は法案段階)に基づき、政府が東電による福島原発の賠償金支払いを支援するに当たって、「国民負担の極小化を図る」ため、「東京電力の厳正な資産評価と徹底した経費の見直し」を行うことを使命としている。

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