牧野洋の「ジャーナリズムは死んだか」
2011年02月24日(木) 牧野 洋

「印刷・宅配をやめ、キンドルを無料配布せよ」ハフィントン・ポストの共同創業者レーラーが唱えた「新聞の生き残り策」

「城壁の構築」は最悪の選択だ

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ハフィントン・ポストのアリアナ・ハフィントン〔PHOTO〕gettyimages

「ニューヨーク・タイムズは直ちに印刷所を閉鎖し宅配をやめ、代わりに読者にキンドルを無料配布すればいい」---。これは、有力インターネット新聞「ハフィントン・ポスト(ハフポスト)」の共同創業者ケネス・レーラーの言葉だ。

 2月7日にインターネットサービス大手AOLがハフポスト買収で合意すると、同紙の共同創業者アリアナ・ハフィントンに注目が集まった。

 ギリシャ生まれのハフィントンは筋金入りのリベラル派で、各界の有力者と交友関係を持つ。2003年のカリフォルニア州知事選に立候補し、対立候補のアーノルド・シュワルツェネッガーと激論を交わすなど、抜群の知名度を誇る。

 ハフィントンの陰に隠れ、日ごろ目立たない存在なのがもう1人の共同創業者レーラーだ。ハフィントンがハリウッド的な西海岸のセレブだとすれば、レーラーは保守的な東海岸のビジネスマンだ。前者がハフポストの顔として活動してきたとすれば、後者は同紙の経営を実務面で支えてきたといえる。

 もともとはAOLの経営幹部だったレーラー。AOLによるハフポスト買収が決まると、ニューヨーク・タイムズの取材に応じ、2003年のハフィントンとの出会いを振り返っている。

「友人からアリアナに会うように言われた時、最初の反応は『とんでもない』だった。有名人には興味なかったからね。でも、ニューヨークのイタリアレストランで会ってみると、彼女に対する印象はがらりと変わった。いわば一目ぼれ。直ちに意気投合できた」

 それから1年後、2人は「リベラル版ドラッジレポート」の創刊で一致した。ドラッジレポートとは1997創刊の保守系ニュースサイトであり、1998年に大統領ビル・クリントンの不倫スキャンダルをスクープしたことで知られている。

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