毎日フォーラム~毎日新聞社

急がれる南鳥島と沖ノ鳥島の整備

EEZ内に豊富な天然資源が埋蔵 [海洋権益]

2011年03月05日(土) 毎日フォーラム
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国土交通省の資料より

 国土交通省が、本土から最も離れた沖ノ鳥島と南鳥島の本格的な港湾整備に乗り出している。日本の国土面積は約38万平方キロで世界61位だが、こうした離島のおかげで領海・排他的経済水域(EEZ)の面積は世界6位の約447万平方キロという海洋国家だ。両島の周辺海域には、天然ガスを含むメタンハイドレードや希少なレアアースなどを含む高品位のコバルトリッチクラストが大量に存在しており、中国の海洋進出への懸念も背景に、権益確保を求める声が高まっている。

 日本の領海と広大な排他的経済水域を支えているのは、本州などの周辺にある大小6847の島だ。離島群の中で最も遠いのが、東京都小笠原村に属する日本最東端の南鳥島と日本最南端の沖ノ鳥島だ。南鳥島の港湾施設建設と沖ノ鳥島の現地測量費などに10年度約7憶円が計上された。

 両島の整備は、07年に成立した「海洋基本法」と海洋資源の活用などを盛り込んだ08年策定の「海洋基本計画」を受けて、昨年6月に施行された「排他的経済水域及び大陸棚の保全及び利用の促進のための低潮線の保全及び拠点施設の整備等に関する法律」に基づいている。

 海洋資源の開発・利用、海洋調査などの活動が、本土から遠く離れた海域でも安定的に行われるよう遠隔離島に活動拠点となる港湾施設を整備するのが目的。南鳥島及び沖ノ鳥島が「特定離島」として指定された。

 またこの法律では、「海洋法に関する国際連合条約」(国連海洋法条約)で領海やEEZ、大陸棚の基線と定められている「低潮線」を守ることも定められた。低潮線は干潮時に陸地と水面の境となるもので、EEZでは低潮線から200海里(約370キロ)までと定められている。この水域内では、海面から海底とその下にある天然資源の探査、開発、保全、管理など経済的な活動に関する主権的権利が認められる。

 低潮線は、沿岸工事での掘削や土砂の採取などによって崩れることが多く、低潮線が陸地側に約2キロ後退すると東京ドーム約1700個分の面積に相当するEEZが失われるという試算もある。このため法案には、保全区域内の掘削などの行為を規制し、違反者には罰則が盛り込まれた。

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