政界最大実力者の小沢一郎民主党幹事長を政治資金規正法違反(虚偽記載)の共犯で在宅起訴に持ち込み、同時に行う自宅など関係先への家宅捜索で所得税法違反を視野に入れて捜査を展開、「小沢を徹底的に追い込む」(検察関係者)という東京地検特捜部の思惑は外れた。

最高検首脳が提示した「石川(知裕代議士)証言だけでは弱い。それ以上の材料を」というハードルを越せず、「不起訴処分」とし、完敗したのだ。
しかし「二枚腰」の検察は、「小沢捜査」を諦めていない。1年に及ぶ捜査で、政治家本人と政治団体の間の不透明なカネの流れが証明された。
事件にできなかったのは、「本人に虚偽記載の認識がなかった」という小沢氏と秘書軍団の"口裏合わせ"を突破できなかったからだ。
世田谷秘書宅購入4億円の原資をはじめとするカネの流れを、徹底解明する意欲を捨ててはいない。
手がけるのは脱税捜査だ。国税当局の協力も得て、資産の全容を解明、収入に見合うものなのかを検証する。個人の資金と政治団体との資金を分別、脱税容疑があれば本格捜査に着手する。
資産公開を分析してみると
2月8日、昨年8月の衆院選で当選した衆院議員の資産報告書が、「国会議員資産公開法」に基づいて公開された。それによると、小沢氏の所有不動産は、世田谷区深沢の自宅(1619㎡)や岩手県奥州市の自宅(967㎡)、沖縄県宜野座村に05年に購入した土地(5194㎡)、静岡県東伊豆町の土地(1190㎡)、港区南青山のマンション(33㎡)などである。
余った資金を不動産に換えておくのは、小沢氏の"本能"なのだろう。今回、新たに取得していたのは沖縄の土地と南青山のマンションだが、これだけでも"突っ込みどころ"が満載である。
まず、沖縄の土地は取得価格が約5000万円と推定されているもので、普天間飛行場の移設先とされた名護市に隣接している。現在、暗礁に乗り上げているものの、購入した05年11月は、「日米合意」の直前。
小沢氏とは縁もゆかりもない沖縄だけに、移転が決まれば数倍に跳ね上がることが予想される原野の購入は、「不動産錬金術」を疑われても仕方があるまい。
南青山のマンション「ラ・セーナ南青山」もそうだ。2001年12月、この新築物件を取得したのは小沢氏個人だったが、翌年、資金管理団体「陸山会」に所有権が移転、修繕積立金、登記費用、小沢氏が組んだ2800万円のローン返済などすべて「陸山会」が肩代わりした。
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