経済論戦勝ったのはどっちだ!森永卓郎vs.池田信夫 激突120分日本経済は破綻する?

2011年02月24日(木) 週刊現代

週刊現代賢者の知恵

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森永 '08年のリーマンショックのあと、イギリスは金融緩和によって通貨の供給量を3倍に増やし、アメリカも2・5倍に増やしました。対して、日本はまったく増やさなかった。

 その結果、どうなったかというと、為替がイギリス(ポンド)はかなり下がり、アメリカ(ドル)とヨーロッパ(ユーロ)はほぼ変わらず、日本だけがどんどん円高になった。その影響で製造業が厳しくなり、日本の生産だけが激烈に落ち込んでしまったわけです。

 だから、日本も欧米と同じように、金融緩和で通貨供給量を増やせば、為替の問題は解決するはず。

池田 その話については日銀が反論のペーパーを書いてますよ。日銀の供給する通貨(マネタリーベース)と円高は因果関係がない。

 リーマンショックのあと円高になったのは、それまで売られていた円が巻き戻されたのと、アメリカのような金融システムの壊れた国よりも、日本のほうが安全だと円に投資が集まったからです。これは日銀の白川総裁も言っている。

森永 いやいや。通貨供給量が増えれば円安になり、物価も上昇する。教科書的な経済理論でも、物価は通貨供給量に比例して決まることになっているでしょ。

池田 そんな経済理論はありません。物価が中央銀行の供給する通貨の量で決まるという素朴な貨幣数量説は19世紀の理論。

森永 ええっ? そうなんですか? 日本も'01年から断続的に日銀が量的緩和をやりましたよね。あのとき'03年、'04年と、物価はずっと上がっていたじゃないですか。その後、緩和をやめてしまったからデフレになったんでしょ。

 もしいま日銀が通貨供給量を100兆円増やすとします。100兆円で国債を買えば、金利1・2%として毎年1兆2000億円の金利収入が得られる。300兆円なら、3兆6000億円ですよ。国庫のおカネが足りないのなら、これをどんどんやればいい。

 でも、じゃ、なぜそれがなかなかできないかというと、インフレになる危険があるからでしょう。逆にお聞きしますが、通貨供給量と物価が関係ないとおっしゃるなら、いっそのこと、どんどん金融緩和をやればいいんじゃないですか?

池田 2000年代前半に、日銀はマネタリーベースを36%も増やしたが、図(次ページ)のように物価はほとんど変わらなかった。だから日銀は量的緩和をやめたのです。300兆円だとか、そんなバカげた話、やめてください。そんなことを実際にやった国があるんですか。

森永 あるじゃないですか。現実にアメリカやイギリスがやっているでしょう。

池田 アメリカでも50兆円程度ですよ。日銀が300兆円もばらまいたら、とんでもない悪影響が出る。

森永 何ですか、その悪影響というのは。

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