伊藤博敏「ニュースの深層」
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「特捜案件」となった富士バイオメディックス粉飾事件に見る犯罪の連鎖

SECが400人動員し強制調査

2011年02月17日(木) 伊藤 博敏
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 昨年1月、証券取引等監視員会(証券監視委)が、400名近くを動員、強制調査した医療支援事業ベンチャー・富士バイオメディックス(富士バイオ)の調査が大詰めを迎えている。

 被疑者のひとりがいう。

「捜査は、証券監視委から東京地検特捜部の手に移りました。現在、五反田にある特捜部財政経済班に呼ばれて連日の事情聴取を受けています。逮捕は、鈴木晃元社長ら経営陣と外部協力者数名に的を絞ったとかで、『年度内には終わらせる』とのことです。証券監視委が告発、即、逮捕となるのでしょう」

 逮捕から起訴までに、通常、20日を要する。年度内に終わらせるということになると余裕を見て、2月下旬から3月初めがタイムリミットである。

 名古屋証券取引所セントレックスという新興市場に上場(08年10月、218億円の負債を抱え、民事再生法の適用を申請して倒産)していたベンチャー企業ではあるが、その決算に「粉飾アレンジャー」と呼ばれる面々が関与、「今日的話題」を満載した事件として注目を集めている。

 事件の構図について、私はこのコラムの昨年9月9日号で詳述した。

 雇われ社長の鈴木氏は、介護大手のメディカジャパン(ジャスダック)の関連会社で、同社元オーナーの神成裕氏、加ト吉創業者の加藤義和氏からの「上場しろ!」「株価を保て!」というプレッシャーを受け、相当に無理を重ねてきたのだという。

 それが、05年8月の上場前からの粉飾体質につながり、07年5月期には、バランスシート上に60億円以上の"穴"が生じていた。

 架空売り上げを計上していればそうなるのは当然だ。鈴木元社長や管理本部の役員は外部スタッフ(医療コンサルタントと元税理士。元税理士は後に管理本部副本部長に就任)の"進言"を入れ、協力会社を使って売り上げと利益を調整(粉飾)する一方で、二つの医療法人を66億円で買ったことにして、60億円を資産計上(粉飾)、"穴"を埋めた。

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