牧野洋の「ジャーナリズムは死んだか」
2011年02月17日(木) 牧野 洋

オバマやビル・ゲイツもブログを寄稿する「ハフィントン・ポスト」を成功に導いた「権力に迎合しない視点」

AOL傘下に入るインターネット新聞の旗手

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AOLの最高経営責任者ティム・アームストロング(左)とハフィントン・ポスト共同創業者のアリアナ・ハフィントン〔PHOTO〕gettyimages

 2月10日、インターネットサービス大手AOLによる有力インターネット新聞「ハフィントン・ポスト(ハフポスト)」の買収決定から3日後のことだ。ハフポストのウェブサイト上で、マイクロソフト共同創業者兼会長のビル・ゲイツがブログ記事を投稿した。

 ゲイツは現在、世界最大級の慈善財団「ゲイツ財団」の運営に全力投球している。今回のブログではアフリカの医療問題に焦点を当て、「ワクチンの分野では大きな成果が出ており、1980年から2008年の間でジフテリアの発生件数が93%減になった」などと強調している。

 テレビ報道界の伝説的存在ウォルター・クロンカイト、『裸者と死者』の著者で文学界の巨匠ノーマン・メイラー、アメリカ初の黒人大統領になる直前のバラク・オバマ---。ハフポストにブログ記事を投稿する有力者は枚挙にいとまがない。

 なぜニューヨーク・タイムズなどの伝統的な有力メディアへ寄稿せずに、あえて新興のウェブサイト上で原稿料なしでブログを書くのだろうか。共同創業者兼編集長のアリアナ・ハフィントンの思想・哲学に共鳴するからである。

旧メディアから最高のブロガーを

 ハフポストの創刊は2005年5月9日。創刊日に同紙のブロガー第1号として記事を投稿したのは、ケネディ政権で大統領補佐官を求めたこともある著名歴史家アーサー・シュレジンジャーだ。ハフィントンは、『ハフィントン・ポストの完全ブログガイド』の序文の中で、当時を振り返っている。

〈 ハフポスト創刊に際し、新メディアとともに旧メディアからも最高のブロガーを集めたかった。旧メディアの代表としてアーサー・シュレジンジャーの右に出る人はいない。だから最初にアーサーに声をかけた。

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