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土地&住宅 不動産は最大のリスク、暴落を覚悟せよ
全国民必読 シリーズ「人口減少社会」

 住宅市場はすでに供給過剰。これから人口がどんどん減れば、空き屋が増えてくる。もちろん値段も下がる。住宅ローンを支払い終わった頃に、家の価値がゼロになっている。そんな悲劇が訪れる。

国交省作成「衝撃レポート」

 北海道札幌市から高速道路を利用して約1時間の秩父別町ではいま、画期的な宅地分譲が行われている。人口2700人、水田風景の広がるこの町では人口減少が深刻な問題となっていた。そこで移住者を少しでも増やそうと、宅地を「1m2あたり1円」で販売することにしたのだ。

 3年以内に住宅を建て、住民登録をして5年以上住むことが購入の条件。1区画は460m2で、本来なら230万円ほどのところをわずか460円で購入できるとあり、「これまでに相当数の問い合わせを受けた」(秩父別町企画課)という。ところが、販売は思惑通りに進んでいないようだ。

「13区画を販売していますが、契約を結んだのは11区画です。町内からの応募が2区画、町外から来ていただいたのは9区画で、現役を引退されたシニアの方からの応募でした。残りの2区画は北海道移住を希望している若い方でしたが、販売間際までいってキャンセル。できればファミリー層に来ていただきたかったのですが、人口が減り続け、経済も落ち込んでいるこの町での就労が難しいということがネックになったようです」(同企画課)

 これは自治体の話だが、民間不動産業者にしても似たような話はいくらでも聞こえてくる。日本を襲う未曾有の人口減少がいま、不動産業界に暗い影を落としているのだ。

「不動産の価格を決定する際に用いるのは『収益還元法』というもので、土地や物件がどれほどの収益を生み出すかによって価格が決められる。特に重視されるのが、『その土地をどれくらいの人が利用するか』ということ。人口減少はもちろん、土地や家の価格下落に直結する。とはいえそれを止める手立てはないので、不動産業界としては行方を戦々恐々として見守っているだけというのが現状です」(都内の不動産業者)

 2005年を境に死亡率が出生率を上回ったところから、日本は人口減少社会に突入。このままいけば、歴史上例を見ない急速なスピードで人が減っていき、50年以内には1億人を割り込むと言われている。毎年、60万都市が一つずつ消えていく計算だ。

 そうした中で、人口減少の実態を赤裸々に描写したあるレポートがいま、一部の不動産業者の間で話題となっている。

「国土の長期展望に向けた検討の方向性について」と題されたそのレポートは、昨年末、国交相の諮問機関である国土審議会政策部会に提出されたものである。出生率・死亡率・人口移動率などといった大量の統計的データを収集、それに精密かつ複雑な解析を加えて作成されたもので、人口減少がこのまま進んだ場合、2050年に日本の国土がどのように変貌していくかを克明に示している。

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