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現地レポート お笑い!中国の大金持ちたち
トンデモないことをしてくれます

資産1000万元以上を持つ中国人は増え続け、現在その数96万人

 バブル経済に沸く中国では、ニューリッチが急増中だ。カネで買えないものはないといわんばかりの、中国人富裕層の「トンデモ散財法」には驚くやら呆れるやら。

一枚の絵に52億円

「1000万! 1100万!」

 東京日本橋の雑居ビルの一室。明王朝時代の掛け軸を前に、骨董業者による競りの掛け声が響く。通訳によって価格が中国語に訳されると、会場内にいる中国人商人たちがみるみる目の色を変えてゆく。熾烈な競り合いの結果、掛け軸は小太り気味の中国人によって、ついに2000万円で落札された---。

 これは日本でも有数の中国骨董品オークション大会「研美会」でのひとコマだ。元々は日本人業者向けに開かれていたオークションだが、近年は中国人の姿が目立つようになったという。研美会に出品する大手骨董商・本郷美術骨董館の染谷尚人館長はこう説明する。

「5~6年前から中国人業者が増えはじめました。骨董品購入を目的にした日本旅行ツアーが中国国内で組まれ、多い時には200人近くが観光バスに乗ってやって来ます。当方も絶好のビジネスチャンスとみて、北京や上海に出張して現地業者にビラを配布するなど、中国からの集客に努めています」

 かつて、戦前からバブル期にかけて日本人が購入した中国の高級骨董品が、不景気の影響を受けてオークション市場へと大量に流出。そんな品物を、はるばる来日した中国人商人たちがカネに糸目をつけずに買い付けているのだ。時には1億円近い価格で落札される商品すらあるというから驚きだ。骨董品は、余程の目利きでも真贋の見極めが困難な品物だが、彼らは「日本人はニセモノを売らない」と考えていることもあり、それほど深く品定めもせず、ぽんぽんとアンティークを落札していく人も多い。バブルに沸く中国の勢いを象徴しているといえよう。

「世界の工場」から「世界の頂上」にならんとする中国ではとうとう昨年、個人資産10億ドルを超える「ビリオネア」の数が100人を突破し、128人を記録した(日本ではたったの22人!)。一人あたりの名目GDPは日本の10分の1程度の4800ドルにとどまっているものの、資産1000万元(約1億2000万円)以上を保有している富豪も、96万人以上も存在しているのだ。

 上海の調査機関・胡潤研究院によれば、彼ら中国富裕層の平均年齢はわずか39歳。不動産のほか、株・美術品・非上場会社などへの投資を通じて財産を増やしているとされている。北京市内では高級車が売れに売れ、この1年でランボルギーニの売り上げは3倍に、ロールスロイスは1.5倍に伸びたほどだ。投機もさかんにおこなわれ、今年1~6月の不動産開発投資額平均が前年同月比38.1%増に達するなど、不動産価格も天井知らずの暴騰ぶりを見せている。

 急速な「金持ち化」が進む中国。長年不景気にあえぐ日本人からすれば羨ましいこと限りない。今年5月24日、北京で開催された中国国内向け絵画オークションでは、20世紀最大の中国人画家・斉白石の絵画が、約4億3000万元(約52億円)で落札された。仕入れ値の約150倍であった。前述の「研美会」では、中国人ならではの見栄や自己顕示欲のためだけに、高価な骨董品を競り落とす者も少なくないという。研美会の運営者の一人である、中島伸幸氏はこう語る。

「聞いたこともないような地方から来た中国人が、何千万円単位の高い買い物をすることがあるんです。どうやら、帰国後に地元の新聞で『日本から過去の中国の文化遺産を買い戻した愛国的骨董商』と報道されるらしく、自分のメンツを賭けて買っていくんですよ」

 バブル崩壊への懸念もどこ吹く風とばかりに、凄まじいゴージャスぶりを見せつける中国の富豪たち。われわれ日本人の年収の数倍にあたるカネを気軽に使ってしまう、天衣無縫なお買い物姿は実に羨ましい限りである。

 もっとも、大金を突然手にした〝成り金〟のなかには、大富豪が身につけるべき上品なお金の使い方を学べていない人も少なくない。そんな中国の成り金大富豪たちの〝デタラメな散財〟ぶりを紹介しよう。

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