経済の死角

特捜部と闘った「会計のプロ」が解明した「朝鮮総連詐欺事件は無罪」という「決定的証拠」

有罪の根拠となった自白調書をつくったのは、あの「割り屋」前田検事

2011年02月15日(火) 会計評論家 細野祐二
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1.前田検事の証拠改竄

 大阪地検特捜部前田検事の証拠改竄事件を受けて、本来それとは何の関係もない朝鮮総連詐欺事件の帰趨が、俄然注目を浴びている。

 朝鮮総連詐欺事件は、元公安庁長官の緒方重威弁護士が、不動産会社社長の満井忠男被告と共謀して、朝鮮総連ビルの買戻条件付売却取引に乗じ、朝鮮総連より4億8400万円の現金(現金詐欺)と朝鮮総連ビル(不動産詐欺)を騙し取ろうとしたとして逮捕・起訴されたものである。

 事件では、両被告の他に経営コンサルタントの河江浩二被告が不動産詐欺の共犯として起訴され、一審・控訴審ともに有罪判決が出ている。公判では、緒方・満井両被告とも無罪を主張したものの、東京地裁は、両被告の自白調書の任意性を認め、平成21年8月10日、緒方被告に懲役2年10月執行猶予5年、満井被告に懲役3年執行猶予5年の有罪判決を出した。

 一審判決に対して、被告側は有罪認定を、そして、検察側は執行猶予を不服として控訴しており、事件は現在、東京高等裁判所において控訴審係争中である。本件は東京地検特捜部起訴による自白事件で、特捜検察の検面調書に絶対的な信用力を認める現行の司法実務を勘案すれば、そもそも無罪判決など端から出るはずもなかった。

 一審東京地方裁判所とすれば、執行猶予も付けたことだし、これでも精一杯の温情判決のつもりなのである。一審判決に対しては被告・検察共に控訴したものの、それは行きがかり上の勢いというもので、控訴審は無風裁判で、早晩控訴棄却になるというのが大方の予想であった。

大阪から駆り出された「特捜のエース」

 控訴審は平成22年9月14日に初公判が始まったが、ちょうどこのころ、前田検事による証拠改竄疑惑が特捜検察を直撃する。厚生労働省の村木元局長の無罪判決が9月10日のことで、朝日新聞がフロッピーディスクの改竄疑惑をスクープしたのが9月21日、翌9月22日には大阪地検特捜部の前田検事が逮捕されている。

 そして、朝鮮総連事件の実行犯とされる満井被告の自白調書を取ったのが、なんとその前田検事だったのである。当時、前田検事は、特捜検察のエースとして、大阪から朝鮮総連事件の応援捜査に駆り出されていた。

 検察ストーリーに合わせるためには平気で物証の改竄までやらかすというのであるから、前田検事の取った検面調書が真実を語っているかどうかは大いに疑わしい。そして、朝鮮総連事件では、その前田検事の取った検面調書が被告人有罪の最大の証拠とされているのである。

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