「日本人はバカになった」は本当か 世界が嗤っている

2010年02月10日(水) 週刊現代

週刊現代賢者の知恵

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 この結果は「PISAショック」と呼ばれ、学習指導要領の見直しの呼び水とさえなったのだが、PIAACの結果が出れば、「大人の学力」の低下が詳(つまび)らかになり、新たな学力論争を呼び起こすことになるかもしれないというのだ。

「PIAACで調査される3つの能力は、どれも日本人が苦手とするものです。おそらく日本の成績は、下位とは言いませんが、上位に食い込むことはないでしょう。『日本人の学力は、たいしたことないじゃないか』と、世界の嗤(わら)いものになってしまう日が近づいているのです」(前出・文部科学省職員)

 PIAACでは読書の質も問われるというが、日本人の読書量はここ数年で急激に減少している。昨年9月に文化庁が公表した「平成20年度国語に関する世論調査」(調査対象は16歳以上)によれば、「1ヵ月に大体何冊ぐらい本を読んでいるか」との問いに、「読まない」と答えた人が46・1%に上っている。

 平成14年度の同様の調査では37・6%だったのに、わずか6年でさらに10ポイント近くも読書離れがすすんでいるというわけだ。16歳以上の人口は約1億1000万人。その46%ということは、約5000万人もの日本人が「1ヵ月に一冊も本を読まない」ことになる―。年間では約3000万人といったところか。

 これは少々大げさかもしれないが、読書量の低下は、誰もが思い当たる節があるはずだ。

 一日に28冊の本を購入したことが報じられた鳩山由紀夫首相は、この基準に照らせば大の読書家といえよう。そんな鳩山首相でも、1月22日の衆院予算委員会で「朝三暮四の意味を知っているか」と尋ねられ、自信満々に「『朝決めたことと夜決めたことですぐ変わる』意味だ」と答えてしまうのだから、不甲斐ない。

 しかし「朝令暮改と朝三暮四の違いを理解していない人が首相を務めているなんて」と笑ってもいられない。

 先述の「国語に関する世論調査」では、「慣用句・言葉の意味を正しく認識しているか」についても調査が行われたのだが、「時を分かたず」の意味を「すぐに」、「破天荒」を「豪快で大胆な様子」、「敷居が高い」を「高級過ぎたり、上品過ぎたりして入りにくい」と答えた人の割合は、それぞれの本来の意味(「時を分かたず」は「いつも」、「破天荒」は「だれも成し得なかったことをすること」、「敷居が高い」は「相手に不義理などをしてしまい、行きにくい」)を答えた人の割合を上回った。

 ハトのふりみてわがふり直せ―。首相の質の劣化は、国民の質の劣化のあらわれだというのは、元衆議院議員の岩國哲人氏だ。

「歴代の首相の愚かさに呆れて、政治家の劣化を指摘する声が高まるのもわかるが、そんな政治家を長年選び続けている有権者も同時に劣化しているということに気づかなければならない。国民も自分たちの考え方について省みるときがきたのではないか」

留学生たちが呆れている
なんで日本人は勉強しないの

 このままでは日本は、世界から取り残された「バカの国」になる―。そんな危機感を抱く教育関係者は多い。実際世界の国々が、日本の知力の衰退に呆れはじめているという。前出の川成教授は、こんなエピソードを明かす。

「先日、東南アジアの学者らが日本に短期留学に来たとき、私にこう言いました。『日本は本当に素晴らしい国で、私たちの憧れだった。しかし日本の大学に来てわかった。わが国の学生は、軽々と日本を超えられる』。さらにベトナムのある研究者は、『日本の大学は夜になると図書館を含めすべて灯(あか)りが消える。これはわが国では考えられないことです』と首を傾げていました。このまま知の衰退が進めば、日本は二流国に成り下がってしまいますよ、と彼らは警鐘を鳴らしているんです」

 前出の山田昌弘教授も続ける。

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