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地元では「幽霊屋敷」とも S・ジョブズが建てる新豪邸
カリフォルニア発 2万4000m2の敷地に建つ歴史的建造物を
壊すことで訴訟沙汰にも
3回目の病気療養に入ったジョブズ氏。療養期間を明らかにしていないため、その病状を心配する声が多い〔PHOTO〕gettyimages

 米・カリフォルニア州でも高額所得者が多く住むことで知られる、ウッドサイド地区。その高級住宅地に、「幽霊屋敷」と呼ばれる広大な邸宅がある。斜めに傾いた門柱、鬱蒼(うっそう)とした森の奥に見える、半分崩れかかったような建物。庭のプールも、しばらく使われた形跡がない。確かに、アミューズメントパークにある、ホラー館のようである。が、この広大な敷地の要所要所では、屈強なガードマンたちが目を光らせている。

木々の奥に見えるのが歴史的建造物。屋根瓦が崩れたままなのが分かる。取り壊しを巡ってひと騒動あった 〔PHOTO〕Seng Chen(以下同)

 それもそのはずだ。この土地と家の所有者は、米・アップルの最高経営責任者(CEO)、スティーブ・ジョブズ氏(55)なのだから。ジョブズ氏といえば、1月18日に病気療養に入ることが判明。途端にアップルの株価が暴落するなど、世界を揺るがす騒ぎとなった。

 アップルは今や、マイクロソフト(MS)社を抜いて、ハイテク企業として世界一の時価総額を誇る。世界の反応も、当然といえば当然だった。

 しかし、ウッドサイド地区では、ジョブズ氏にまつわるもう一つの話題が、巷(ちまた)を賑わしている。いよいよこの幽霊屋敷が壊され、ジョブズ氏の新豪邸が建設されることになったのだ。

 アップル関係者がこう話す。

「ジョブズ氏はこの家を'84年に購入して以来所有し続けています。買ってしばらくは、歴史的建造物であるこの家に住んでいたのですが、その巨大さが気に入らなかったのか、自分の趣味にあった家に建て替えようとした。ところが、その取り壊しを巡って裁判沙汰になり、延び延びになっていたんです。それが、やっと実現の運びになった時に病気療養とは・・・、不運としか言いようがありません」

禅スタイルの設計

 もともとこの家は、1925年に著名な建築家、ジョージ・ワシントン・スミス氏が、銅採掘王のダニエル・ジャックリング氏のために建てたもの。スペインのコロニアル風を再現したもので、1552m2の広大な屋敷に、ベッドルームが14室、バスルームが13室など、30もの部屋があった。ジョブズ氏はここを購入したあと10年間ほど住んでいたが、シリコンバレーの北部に位置するパロアルト市の小さな家に移る。以来、人に貸していた一時期を除くと、空き家となっていた。