ユーロから"第2のリーマンショック"
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 ギリシャの財政危機から発生したユーロの危機的状況は、今のところ沈静化の兆しが見えない。金融専門家の中には、「ユーロは向こう一年以内の崩壊は避けられず、その場合には、"第2にリーマンショック"が発生する」との見方もある。そうした状況を反映して、大手投資家はリスクを減らす=リスクオフのオペレーションをしているところが多い。

 特に懸念されるのは、ソブリンリスクの高まるギリシャやポルトガル、スペインなど向けの債権を保有している、フランスやドイツなどの大手金融機関の経営状態だ。仮に、欧州の大手金融機関が多額の債権放棄に応じることになると、それらの経営状態は急激に悪化する可能性が高い。既に、そうした事態の発生を想定して、有力格付け会社の一つは、フランスの大手金融機関の格下げを実行している。

 今後、そうした事態が拡大すると、その影響は欧州地域だけに止まらないだろう。景気低迷が続く米国やそれらの地域にも飛び火することが懸念される。それが現実味を帯びてくると、世界的に株式や為替などの金融市場が不安定化する。それは、実体経済にもマイナスの影響を及ぼす。あるファンドマネジャーは、「ユーロの先行きが明確になるまで、株式保有は一切増やさない」と言っていた。

"第2のリーマンショック"のマグニチュード

 著名投資家であるジョージ・ソロス氏は、「ユーロ発の"第2のリーマンショック"が発生すると、その規模は、2008年のリーマンショックよりも大きくなるだろう」と警鐘を鳴らしている。確かに、その可能性は否定できない。ギリシャやポルトガルが、かつてのような単純な一つの国であれば、それらの国の債務不履行=デフォルトが発生しても、それほど大きな問題にはならないだろう。

 1998年のロシアや、2001年のアルゼンチン、さらには2008年のエクアドルなどの例を引くまでもなく、かつて国がデフォルトを起したケースはあった。デフォルト発生の後には、かなりの混乱が発生したものの、その後は、債務のリスケジュール等の措置によって、時間が問題を解決している。

 今回のギリシャの問題は状況が異なる。ギリシャが、ユーロ圏17ヵ国の一員だからだ。ギリシャのデフォルトは、ギリシャ一国の問題ではないのである。ギリシャがデフォルトに陥ると、その連想はポルトガル、スペイン、イタリアに及ぶだろう。そうなると、ユーロ圏の金融機関の体力が怪しくなる。それは、世界的な金融システム不安の発生につながる可能性がある。

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