秋の健康特集
あなたの肝臓は大丈夫か?
発芽ブロッコリーが肝臓を強くする


沈黙の臓器———。 肝臓は、痛みを感じる神経が少なく、その機能が低下したり、治療が必要な状態になっても自覚症状が現れにくいことなどから、そう呼ばれている。

3人に1人が異常

 沈黙の臓器---。

 肝臓は、痛みを感じる神経が少なく、その機能が低下したり、治療が必要な状態になっても自覚症状が現れにくいことなどから、そう呼ばれている。しかし数字を見る限り、現代人の肝臓はいまや、沈黙どころか悲鳴をあげているといってもいいだろう。

 日本人間ドック学会のデータによれば、人間ドックにおいて肝機能に異常が認められた受診者の割合は、1984年におよそ10人の1人(9.6%)だったのが、2010年では4人に1人(27.0%)にまで急増しているのだ。とくに顕著なのが男性で、3人に1人(32.7%)の割合で異常が発見されているという。これは実に、肥満の割合と肩を並べるほどの高い数字であり、決して対岸の火事ではない(グラフ参照)。人間ドックや健康診断でなんらかの肝機能の低下や異常を指摘された経験のある人も少なくないのではないだろうか。

 実際に、肝臓の病に自分で気がつく人は3割ほどしかおらず、残りの7割が健康診断などで発見されるといわれている。ちなみに健康診断で肝機能異常を発見する目安となるのが、肝臓の細胞内にある酵素の「γ-GTP」と「GOT」「GPT」の数値である。これらの各酵素をもつ細胞が壊れて酵素が血液中に流れ出て、数値が正常値よりも高くなることにより、前者からは主にアルコール性肝炎、後者2つからはウイルス性肝炎などの所見を読み取ることができるのだ。

「肝臓の病気は自覚症状がないだけに、健康診断の結果をチェックするとともに、日頃の生活から十分に気を配る必要があります」と、日本肝臓学会肝臓専門医でもある、そめや内科クリニック(川崎市)の染谷貴志院長はいう。

 ところで、そもそも肝臓とはどんな臓器なのか。ここで簡単におさらいしておくと、肝臓は体のなかでもっとも大きな臓器で、その重さは1.2〜1.5kgもあり、ブドウ糖や脂肪の代謝や、毒物や薬物の解毒機能、脂肪の消化・吸収を助ける胆汁の生成といった大切な機能を果たしている。

「ひと言でいえば、肝臓は食べ物などを通して吸収したものから不要な成分を分類し、処分する臓器です。腸で栄養分と一緒に吸収されてしまう不要な毒素やアルコールが肝臓へと送られ、酵素の働きによって分解されるのです。なかでも肝臓での分解に依存するのがアルコール。その摂取量は、個人差はあるものの1日にビールなら500ml、日本酒や焼酎なら1合、ワインやウイスキーは1杯程度が健全な範囲といわれています。しかし、この3倍以上を摂取すると、肝臓のアルコール分解のペースが追いつかなくなってしまいます。このような、多量飲酒が続けば、肝臓の障害が引き起こされる原因になるのです」(染谷院長)

 染谷院長はとくに、大量飲酒や過栄養が原因で、脂肪が肝臓に蓄積され過ぎた状態、脂肪肝の増加に警鐘を鳴らす。

「肉を中心としたカロリー過多な食生活への変化などにより、脂肪肝は80年代以降、とくに男性の間で非常に増えており、現在は成人の約2割が脂肪肝ともいわれます。脂肪肝はまさにメタボリック症候群の大きな要因。健康を過信せず、日頃から暴飲暴食や運動不足にならないよう心がけたいものです」

解毒機能を高める成分

 このように現代の食生活の変化や生活習慣などにより、肝機能異常者が増加傾向にあるなか、近年、肝機能をサポートするとして注目を集めている成分がある。スルフォラファンがそれだ。舌を噛みそうな名前だが、この成分に肝臓の大きな役割である解毒機能を高めるパワーがあるという。いったいどんな成分なのか。

「スルフォラファンは、ブロッコリーやキャベツ、カリフラワーやケールなどのアブラナ科の野菜に含まれる特長的な成分です」

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