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証券会社が売りたがらないETFは「安全確実に儲かる」か
密かな人気 投資信託なんか、
やっている場合じゃない

 投資信託よりずっと低コスト。証券会社にとっては旨味の少ない商品だから、窓口に出向いても勧められない。

 表に出されず、こっそり隠されている。そんな「お宝」商品を見つけてしまった---。

米国ではすでに人気沸騰中

 貯蓄から投資へと謳われてから約10年、やっと日本人もタンス預金にしまいこんでいたおカネを投資に回すようになってきた。中高年の夫婦が証券会社や銀行の窓口に出向き、商品を見比べながら購入している姿はいまや全国で見られる。

 預金に代わる代表的な投資先となったのは、投資信託。投資信託協会が先日発表した調査結果によると、投信残高は2年連続で増加したという。

 だが実はここ数年、金融先進国である米国では投資信託への投資熱が冷えこみ始めていることはあまり知られていない。さらに投資信託と「似て非なる」ETFなる商品の人気が過熱しているともいう。何が起こっているのか。

「かつては米国でも投資信託が人気でしたが、個人投資家が不利益を被っているとされる不正取引などが相次ぎ、信頼が落ち込んだ。そこで代わりに人気が集まったのがETF。ETFは投資信託の一種で、『何に投資しているか中身がすべて公開されている』『手数料が安い』というメリットが付け足されていることが特徴です。

 個人投資家のみならず、ハーバード大学の年金基金など機関投資家もETFへ殺到したことで、この10年で市場規模(時価総額)が100倍以上に拡大、商品数も1000を超えた」(日米中など世界の金融市場情報を提供するT&CホールディングスCEOの田中茂樹氏)

 米国ではあと2~3年で投資信託の市場を追い抜くとも言われているETFの最大の特徴は、投資信託にくらべて手数料が安いことにある。そのため手数料ビジネスで稼ぐ証券会社にとっては「旨味の少ない商品」として積極的に売られてこなかったが、一連の不祥事を通じてその"欺瞞"が発覚し、証券会社が売りに出ざるをえなくなったということだ。

 さらに、こんな事情もETF人気を後押ししている。

「米国では中高年が資産運用しようとする場合、証券会社の窓口に行くのではなく、ファイナンシャルアドバイザー(FA)と呼ばれる専門家を雇うケースが増えている。FAの報酬は運用して儲けたおカネの何%という成果で決められるため、顧客の儲けを第一とする投資を行ってくれるからです。

 ではFAがまず何を勧めるかというと、投資信託でも個別株式でもない。長い目でみて値上がりが期待できるETFなんです」(米国の金融事情に詳しい投資アドバイザー会社S&Sインベストメンツ代表の岡村聡氏)

 証券会社は売りたがらないが、安定的に儲けられる可能性が高いのがETFということ。

 そして日本でもいま、投資信託への不信がくすぶりつつある。「毎月、分配金が出るので年金のように使える」などと勧誘されて購入したはいいものの、一向に儲からないと感じる投資家が増えているからだ。

 実際、投資信託(公募型)の運用損益は昨年だけで3兆円超のマイナス。基準価額を下げている投信も多く、元本割れによって数百万円単位で損失を被った投資家も出てきている。

 ETFは日本ではまだ馴染みは薄いが、実はすでに100本以上売られており、その魅力に気付いている投資家の間で密かに人気を集め始めてもいる。一般投資家も米国に倣って「投資信託を売ってETFを買うべし」といきたいところだが、よくわからない商品では及び腰になってしまうだろう。

 ここからはETFの詳細・魅力についてひとつひとつ見ていこう。

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