アジア金融危機と同じ過ちを繰り返すな。ギリシャ危機と増税の二重苦が直撃すれば、日本は先進国から脱落する

経済的には合理的なギリシャのユーロ離脱は政治的判断から実施できない。写真はECB総裁   【PHOTO】Bloomberg via Getty Images

 ギリシャ国債にデフォルトの危機が迫っている。償還資金の手当が自前でできない状態になっており、EUと国際通貨基金(IMF)等による金融支援が生命維持装置になっている。こうした資金繰りの山は今年10月、12月などと3カ月ごとに訪れる。そのたびにデフォルトかどうかの厳しい判断が強いられる。

 そのような緊張の中で、欧州連合(EU)議長国のポーランドで開かれていたEUの財務相理事会は9月17日閉幕した。注目はガイトナー米財務長官が初参加したことだ。報道に選れば、ガイトナー米財務長官は、現在4400億ユーロ(46兆円)の融資能力がある欧州金融安定基金(EFSF)の拡充を求めたという。しかし、欧州各国の反応は冷ややかだったようだ。

また、欧州中央銀行(ECB)が域内各国債の購入の結果被った損失を一定限保証する案も検討されたが、ECBが反対し同意が得られていないという。

インフレを恐れてユーロ崩壊の道を歩むECB

 米国には欧州の対応は時間がかかりすぎるように見えるだろう。2008年のリーマンショック時、リーマンの負債総額が6100億ドル(当時のレートで65兆円)。ギリシャ国債残高は3000億ユーロ(32兆円)を超え、ギリシャの民間債務を考えたら、ギリシャ国債のデフォルトは、リーマンショック級かそれ以上の破壊力があるかもしれない。

 この債務問題の解決策は、原理的にはかなりシンプルだ。あまり債務問題が大きくなっていないときには、債権者特に銀行が十分な資本を用意し十分な引当金を積み、債務者に対して金利減免・リスケなどを行い、その間でに債務者のリストラを促す。

大きくなって二進も三進もいかない時には、公的資金を注入して解決する。自ら公的資金を用意できない場合は国際機関からの支援となって厳しい財政再建下に入るとともに、自国でできる金融政策として金融緩和を行う、国内をインフレ気味、対外的には自国通貨安にして、自国経済の活性化を促すという戦略にある。