民主党執行部内部のヘゲモニー争い
野田政権の「寿命」を握る輿石幹事長と小沢一郎の微妙な距離感

またまた短命政権なら亡国の道

 民主党執行部内部のヘゲモニー争いが顕在化している---。野田佳彦首相の東京電力福島第一原発視察に同行した鉢呂吉雄前経済産業相がオフ懇で毎日新聞記者に対し「(放射能を)つけちゃうぞ」と発言したことがフジテレビで報じられ、所謂「不適切発言」として問題化した際、「辞める必要はない」と鉢呂氏擁護に回った輿石東幹事長と「即時更迭」を進言した手塚仁雄首相補官ら首相側近との間で綱引きがあった。

 最後は野田首相が鉢呂氏に引導を渡した。内閣発足後、僅か9日目にして後任に「即戦力」の枝野幸男前官房長官を起用せざるを得なかった。

 輿石氏は鉢呂氏辞任以外にも、就任直後の一川保夫防衛相の「安全保障は素人」発言をはじめ、山岡賢次国家公安委員長・消費者担当・拉致問題担当相のマルチ商法との親密関係、平野博文国対委員長の「不完全内閣」発言、「たばこ増税、一箱700円」と発言した小宮山洋子厚生労働相と大臣答弁が不安視される安住淳財務相との復興増税の財源を巡る鞘当などに関するメディアの報道に不快感を隠さない。

輿石・樽床ラインと前原・仙谷ラインの確執

 それだけではない。輿石氏は9月14日の両院議員総会で「(今後は)情報管理を徹底したい。一人一人の発言に責任を持って、野田政権を支えていくことが必要だ」と述べ、党内締め付けを強化し、異例の「言論統制」を打ち出した。先に陳情の窓口を幹事長室に一本化するなど幹事長権限の強化に対して高まっていた輿石氏批判がさらにエスカレートしている。

 一時は政策決定の事前承認権を野田氏から担保され、党内発言権を飛躍的に高めた前原誠司政調会長が幹事長室の反撃に逢い消沈したかに見えたものの、こうした党内外からの輿石氏批判の噴出によって、ここに来て再び巻き返しに打って出ているのだ。

 もちろん、政権発足時から指摘されていた「党高政低」の基本構図に変化はないが、余りにもお粗末な内閣の陣立てから税と社会保障の一体改革の法案化、環太平洋経済協定フォラーム(TPP)参加問題、復旧・復興財源を巡る増税問題など主要政策について政策調査会が議論をリードする構えを見せている。

 確かに党人事はバランス重視の考え抜かれたラインアップではあるが、現状の党内は、輿石幹事長(親小沢)---樽床伸二幹事長代行(非小沢)---城島光力幹事長代理(中立派)---鈴木克昌筆頭副幹事長(親小沢)の幹事長室と、前原政調会長(反小沢)---仙谷由人政調会長代行(反小沢)---三井辨雄政調会長代理(親小沢)---大島敦筆頭副会長(非小沢)の政策調査会の2つに分かれた格好だ。

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