雑誌
「僕はまだ、思春期を こじらせている」
『進撃の巨人』諫山創

FORZA STYLE
物語を生み出す諫山氏の手のひら。「ペンだこはありません。中指の先なんて、逆に凹んでいるんです」

 専門学校在学中の'06 年、東京の出版社への持ち込み旅行でデビューのチャンスを摑んだ。講談社に投稿した60ページの短編マンガ、『進撃の巨人』が、『週刊少年マガジン』のマンガ賞の佳作に選ばれたのを機に上京。読み切りマンガの執筆などを経て、'09 年10月号の『別冊少年マガジン』から、連載向けに練り直した『進撃の巨人』をスタートさせている。

 担当編集者は、初めて諫山氏の作品を読んだ時のショックを次のように振り返る。

「とにかく原稿用紙から、『オレはこれが描きたいんだ』という情熱がほとばしっていました。絵はヘタだったけど、他の作品にはない抜きん出た才能を感じたんです」

「あまり使っていない」という打撃用のサンドバッグ。「気が向いたら、通りすがりに蹴る程度です」

 超売れっ子作家になった今でも、諫山氏の生活は何も変わらない。デビュー前と同じように四六時中マンガのアイデアを練り、作画する毎日。大体毎朝9時半に起き、アシスタントが来る10時から夜9時まで原稿用紙と格闘する。

 都心から離れた、お世辞にも広いとは言えないマンションの住居を兼ねた仕事場で、スーパーの弁当をかきこみながら、締め切りに追われている。その創作意欲の源は何なのか。

「自分は決して絵が上手い作家だとは思わないし、高名な作家さんに比べて、作品を通して伝えられることは多くないと思っています。他人がみんな自分より優秀に見えて、コンプレックスだらけだった思春期を、未だにこじらせている感じですね。

 だからこそ、この道一筋に突っ走るしかない。謙虚?そんなことありません。そんな風に装っているだけです(笑)」

 当然、マンガ以外の質問には口が重いが、唯一の例外は格闘技の話題だ。