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副首相兼経済技術相が「ギリシャの計画的破綻」を示唆。ユーロ救済を丸抱えし、「ジェットコースター」のようになったドイツの株価

政府内の混乱は民主党政権並み
フランクフルト証券取引所〔PHOTO〕gettyimages

 ドイツの株価がジェットコースターみたいになっている。フランクフルト証券取引所の映像がしょっちゅうニュースに出てくるが、場立ちの人たちの形相が凄まじい。なんだか恐ろしいことが起こっているようだ。すでに現在の状況は、最悪の場合、大恐慌になるといった程度ではなく、ユーロという通貨が紙切れになってしまうかもしれないほど深刻らしい。ギリシャ救済やら、イタリア救済やら、ひいてはユーロ救済を丸抱えしてしまっているドイツでは、もちろん毎日のようにトップニュースだ。

 1947年、ワシントンとニューヨークで秘密裏に、新ドイツマルク紙幣が製造されていた。翌48年6月18日、突然、占領軍は告げた。「今までのお金は無価値になります」と。戦後のドイツでは貨幣の信用度が落ち、闇市の通貨はお金ではなく煙草。経済政策も機能しなくなっていた。

 告示の2日後、米、英、仏の占領下に住むドイツ人は、1人につき40マルクを1対1で新マルクと交換した(さらにもう1度、8月に20マルク)。今の価値でいえば、10万円ぐらいだろうか。つまり、戦争経済の尻拭いは庶民のトラの子を犠牲にして為されたわけだが、これと似たようなことが、近い将来ユーロを通貨としている国に起こるとすれば、確かに恐ろしい。

 ギリシャの経済は、もう誰の手にも負えなくなっている。しかも、ギリシャだけではなく、スペインもイタリアもポルトガルも、やはり手に負えない負債を抱えて、日に日に信用を失いつつ、ぴったりとその後に続いている。ユーロは、崩壊し始めれば意外にもろいかもしれない。

憲法違反と訴えられたギリシヤへの金融支援

 戦後のドイツでは、この金融改革という荒療治によって闇市が一夜にして消滅、経済の混乱は解消、市場には突然、物が出回り始めた。このあと、西ドイツが奇跡の経済成長を遂げたのは、周知の事実である。しかし、ユーロが崩壊しても奇跡の経済成長など起こらない。経済が縮小し、皆が貧乏になるだけだ。

 なお、ドイツの戦後の金融改革のときは、例外として、生産手段や不動産を所持していた者だけはあまり損害を被らなかったが、それはおそらく今回も同じだろう。したがって、助かりたい者は、さっさと不動産か、あるいは金の延べ棒を買えばよい。案の定、金の相場は、ここ数ヵ月、ドイツでも日本でもひたすら急上昇を続けている。アンテナの高い人たちは、すでに行動に移っているのである。

 ドイツの株価の混乱は、この10日間だけでもかなり激しい。突然暴落し、2年以来の最安値をつけたのが9月5日。その2日後の7日には、ドイツの最高裁で、ギリシャ支援は合憲であるとの判決が出たことにより、株価は上昇した。これには少し説明が要る。実は、ドイツの与党議員1人と数人の学者が、ギリシャへの金融支援が憲法に違反するとして、最高裁に訴えを起こしていたのである。