バブルがはじまろうとしていた1980年代後半。新入社員として、銀行の怒号が飛び交う為替ディーリングルームで仕事をしていた。
“動物園”と呼ばれていた部屋にいた肉食系の大先輩に連れて行ってもらったのが、西麻布にある台湾鍋のお店だった。
韓国製の石鍋の遠赤外線で作る、牛肉、豚バラ肉、海鮮、そして野菜がたっぷり入った胡麻油が香ばしい鍋。今まで50回は食べただろうか。何回食べても食べ飽きない。
あれから20年、そのお店は隠れ家レストラン「石頭楼」(スートーロー、と読む)として、今も六本木で昔と変わらない味を提供している。前菜とお食事、さらにデザートが付いたコースが5000円。意外性がある立地と料理がリーズナブルに楽しめるので、接待にもグループでの集まりにも使い勝手が良い。
隠れ家レストラン「石頭楼」(スートーロー)の台湾鍋お金に関わる仕事をしてきてわかったことは、「プロの投資家=食道楽」。
つまり投資の世界にはお店選びの達人が多いということ。どちらも「価値>価格」を探すという行為だからだろうか。価値があるものを安く見つけるのが、投資とグルメに共通する醍醐味なのだ。
私が「石頭楼」のような隠れ家レストランに行くことが多いのも、「隠れ家=割安」だから。この手の店は、
1.紹介による口コミ中心なので、広告宣伝コストがかからない
2.敢えて不便な立地で営業しているので、家賃が安い
3.予約が中心なので、来客数が予想でき、材料のロスが少ない
4.常連が中心なので、安定した集客が確保できる
つまり安定したムダの無い経営をしているからおトクなのである。
隠れ家レストランに行ったことは無いけど行ってみたい、と思ったら予約してまずは行ってみることだ。例えば「石頭楼」は原則紹介制だけど、現代ビジネスのこのコラムを読んだ、と言えば予約は取れる。
鍋のコースを予約して、後は当日お店で飲み物を注文すれば良い。
最初は敷居が高そうに見えるが、上手に使いこなせればこれほど気楽なお店はない。1日1回転だから時間制限も無いし、外人向けマンションで営業しているせいかアットホームな雰囲気。常連になってしまえば、完全に自宅気分で時間を過ごせる。
隠れ家レストランで短期間に常連になる方法はお客さんをたくさん連れて行くこと。宣伝をしないこの手のお店にとって一番ありがたいのは、紹介で新しいお客さんを連れてきてくれるお客さん。だから最初に偵察で行ってみて気に入ったら、次は知り合いを連れて短期間にリピートしてみる。
もし毎週仲間を連れて1ヵ月も通えば、オーナーと顔見知りになり、常連の仲間入りだ。そうなれば、より楽しむことができる。「石頭楼」では常連しか知らない、裏メニューの鍋を特別に出してもらえることもある。ちなみに裏メニューは全日本鍋物研究会で優勝した作品。何回か通ってからオーナーに聞いてみるのが良い。
東京にはこんな隠れ家レストランがたくさんある。気後れしないで、まずは一回行ってみてはどうだろうか。誰もが行ってみたいこんなお店を2、3軒知っているだけで、あなたの評価が上がったりするものだ。
ただし、隠れ家は見つけにくい。当日迷子にならないように初めて行く時の事前のリサーチはしっかりやっておこう。
リーズナブルな隠れ家レストランは、紹介で早く常連になれ
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