「教育格差をなくそう!」
大学生が動いた"ガクボラ"社会貢献プロジェクト

キッズドアのガクボラにタダゼミのことを聞きました。

 ・・・この一文だけでパッと理解された方は情報通とお見受けします(笑)。

 まず"キッズドア"というのはNPOの名称です。

「学生ボランティアによって日本の子どもたちを支援しよう!」

 ということで、彼ら彼女らがボランティア大学生を募ってつくったチームが"ガクボラ"。そして"ガクボラ"が、

「教育格差をなくそう!」

 ということで、親の経済状況や家庭環境などによって塾に通えない、成績もふるわずに高校受験に不安がある、という中学3年生にタダで勉強を教えよう、というプロジェクトが"タダゼミ"という無料の塾です。([ガクボラ]高校受験対策プロジェクトHPはこちら)

 "タダゼミ"は2010年の夏から始まりました。都立高校への入試対策だけではなく、勉強の仕方など初歩の初歩から、受験を乗り切るためのコツとかモチベーションの上げ方とか、ハウツーからメンタルケアまで、大学生がマンツーマンで教えてあげます。

 そもそも、"ガクボラ"は「大学生がボランティア活動を通じて社会貢献をしよう」という趣旨で始められ、そうした活動をいろいろとしていると、

「経済的に苦しい家庭の中学生に対して、ボランティアで家庭教師をして欲しい」

 というニーズがあった。一家庭に一人を派遣していたのでは都合が悪いから、教える大学生も教わる中学生も一ヵ所に集めて、が~っとやってしまおう、ということでした。

 参考書も問題集も買えない、4300円かかるから模擬試験も受けられない。そんな中学生たちに、教材も試験問題も作ってあげる。

 一人の大学生に一人の中学生が教わるのが原則だけれども、場合によっては、2~3人のときもある。だけど"タダゼミ"にやってくる生徒は、

「初めて『頑張れ!』って言われた、って言うんです。今までは学校でも放っておかれてた、って」("ガクボラ"のHさん)

 また"タダゼミ"にやってくる生徒は概して、

「すごく細い子が多いんです」("ガクボラ"のTさん)

 そしていつも同じ服装でもあると言います。それだけ衣食に不足があるということでしょう。

「この恩、どうやって返そうか」

「勉強が好きなわけじゃないですけど、いつも"タダゼミ"にくるのを楽しみにしてくれてます」

 自分の"居場所"がやっと見つかった、ということなんでしょう。

 また"ガクボラ"のメンバーは賞味期限切れ近い食品を安く買い取る"フードバンク"という団体と提携して、一定量の食料も配布することもある。すると、食卓で親子の会話が生まれた。食事以外にも、親子で過ごす時間ができたと言います。

「この恩、どうやって返そうか」

 とまで考えてくれている家庭もあるそうです。

 さて、もうすぐ"タダゼミ"初めての受験が始まります。

 結果はどうあれ、若い人たちがこうして始めた取り組みを、政治も行政もしっかりとサポートしていかなければいけないと思いつつ、こうした活動が不要になるように学校教育を改革するのが本筋か、とも考えました。

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