"栄光の10番"香川真司
「新エースの野望」

W杯サポートメンバーだった男がドイツ移籍で才能を開花させた
かがわ・しんじ 21歳 兵庫県出身。ドイツブンデスリーガ・ドルトムント所属のMF。高校2年時にセレッソ大阪に入団し、昨夏ドルトムントに移籍。代表通算18試合3ゴール
ドルトムントの本拠地「シグナルイドゥナパーク」でポーズをとる

[取材・文 :安藤隆人(スポーツライター)]

 中村俊輔が8年以上背負った"10番"。その特別な番号を受け継いだのは、華麗なドリブルとシュートで、欧州を席巻しつつある21歳の若武者だ。順風満帆ではなかったサッカー人生。何を思い、何を胸に秘めて戦っていたのか。

「日本代表は監督が変わり、メンバーも一新された。今回のアジア杯も、目標はもちろん"優勝"ですが、当然、成功も失敗もあると思います。ただ、何も積み上げていない今、失敗を恐れる必要はまったく無い。"気が楽"と言ったら変ですが、楽しく自分たちのサッカーをやれればいいなと感じています」

 サッカー日本代表は今、カタールのドーハでザッケローニ体制として初めての公式戦に臨んでいる。アジアの強国がその覇を競うアジア杯―。大会前、選手、スタッフ全員が納まる公式写真撮影で、ザッケローニ監督の隣の"エース席"に座ったのは、21歳の香川真司だった。

 彼に託された背番号は10番。かつてラモス瑠偉(るい)、名波浩、中村俊輔らが背負った特別な番号だ。今大会、日本の"新エース"に指名された若武者に大きな期待が集まっている。ただ、当の本人は冒頭のように、特段、気負うことなく試合に臨んでいる様子だ。

 香川真司―。W杯ではメンバー入りできず、サポートメンバーとして帯同。 '09 年はJ2でプレーしていた男が、なぜここまでの成功を収めたのか。

「日本代表にはやっぱり憧れますよね」