「古賀氏を使うべき」と進言していた鉢呂前大臣は辞任したが、枝野経産相が本気なら改革派を抜擢し「裏方チーム」つくれ
スピード感をもって「政治を前に進める」ことが必要
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 民主党政権は、なぜ古賀茂明さんを使えないのか? 答えは、既得権やしがらみを断ち切った改革、例えば、公務員制度改革、電力自由化など全くやる気がないからだ。

 民主党が政権を獲った2年前、改革派と目されていた仙谷由人行政刷新大臣(当時)は、古賀さんを補佐官にしようとしたが、1週間でつぶれた。その後の仙谷氏は、「霞が関の守護神」の道をひた走る。

 今回、経産大臣を事実上クビになった鉢呂吉雄氏は、私と同じ衆議院第2議員会館に部屋があり、本会議から戻る時、よくエレベーターで一緒になった。私は「古賀さんを使いこなせない民主党」の話を2回ぐらいしたと思う。

 鉢呂氏が大臣就任のあいさつに来た時も「古賀さんを使うべきだ」と強く申し上げた。鉢呂大臣が古賀さんに仕事を与える検討をしていたかは不明だが、総合エネルギー調査会の原発政策にかかわる人事の見直しに強く言及していたという。つまり、脱原発派の委員をもっと増やせということだ。

 鉢呂氏のオフレコ懇談で「放射能つけちゃうぞ」と言ったという話が、各社異なる表現で報道された。果して先の委員人事見直し方針との因果関係はあったのか? 鉢呂氏の大臣辞任会見は、記者が命令口調で迫ったり、それをなじる怒号が飛びかったり、異様な雰囲気で行われた。

就任会見の前に事務方のレクを拒否した姿勢を貫けるか

 古賀さんがこの2年間で仕えた経産大臣は、枝野幸男氏で5人目。前4人は直島、大畠、海江田、鉢呂の各大臣。誰ひとり正面切って古賀さんを使おうとしなかった。海江田氏などは、松永事務次官を使って肩たたきまでやった。しかし、2人とも古賀さんより先にやめてしまった。

 古賀さんに仕事を与えれば、守旧派官僚との軋轢や抵抗が生ずる。これを乗り越えて政権運営をできる実力が民主党にはない。官僚の抵抗3大手法「リーク・悪口・サボタージュ」攻撃にあったら、民主党の大臣などイチコロだ。

 結局、官僚路線に乗るしかない。改革マインドなどとうに消えうせているが、その批判も受けたくないので、古賀さんを官房付きとして2年近くも幽閉しているのだ。

 鉢呂氏に最後通牒をつきつけた古賀さんは、もう一度やり直し。枝野新大臣に「仕事をくれないのなら、辞めます」とメールするしかない。

 枝野氏は官房長官時代、東電賠償問題で金融機関に「債権放棄をしろ」とか、口では威勢のいいことを言っていた。しかし、結果ともなわず。口先だけで終わっている。

 今回も「地域独占の見直し、発送電分離についてゼロベースで議論する」と言ったそうだが、就任会見の前に事務方のレクを拒否した姿勢は、どこまで貫けるか。相手は巨大な官僚機構である。いくら枝野氏が弁舌さわやかで聡明な弁護士であっても、多勢に無勢。
本気の覚悟があるなら、絶滅希少種の古賀さんや、すでに退官している改革派を呼び戻して裏方チームを作るしかない。こういう人事ができるか否かが鍵で、枝野氏の本気度はここ1両日で分かるだろう。

 官房長官時代のアドバルーン実績から見ると、口だけに終わる可能性が残念ながら高い。財務大臣当時の菅氏の二の舞か。

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