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徹底調査! 
中国に買われた「日本の一流企業」86社

あの国には明確な狙いがある
時価総額で1兆5000億円
胡錦濤・国家主席も日本企業に興味を持っている 〔PHOTO〕gettyimages

 みずほFG 日立 三菱重工 東京電力など、基幹産業の株を買い漁る。

 中国企業による日本企業買収が勢いを増す中、「中国マネー」がバックにあるとされる謎のファンドが日本株を買い漁っていることが判明。投資先を調べると、そのファンドの「狙い」も見えてきた。

「物言う株主」が中国政府

 世界的な水不足が懸念される中、いま注目されているのが海水を淡水化する高機能膜技術。その世界トップシェアを誇るのは、日東電工という日本企業である。

 同社の大株主に「チャイナ」の名称を含んだファンドが突然現れたのは'08年のこと。いきなり300万株ほどの大株主として出てきたが、ファンドは年々株式を買い増し、いまでは約400万株を持つ第5位の株主(時価総額にして約160億円)に躍り出ている。

「謎のファンドが技術力を奪うために、日東電工を買収しようとしている」

 そう不安視する投資家も出てきたが、実はこのファンドの実態はベールに包まれている。

 株主の正式名称は「オーディー05 オムニバス チャイナ トリーティ 808150」(現在は名称変更して「SSBT OD05 OMNIBUS ACCOUNT-TREATY CLIENTS」、以下OD05)。住所が「オーストラリア・シドニー」、常任代理人が「香港上海銀行」ということは書類から読み取れるが、株主名は単なる「口座名」でしかないため、本当の「持ち主」が誰なのかがわからない。

 この事態を不気味に思った日東電工はみずから調査を開始。すると、次の事実に突き当たったという。

「弊社で調べたところ、(OD05には)中国政府が関わっていることがわかりました。中国の政府系投資機関が資金の出し手である可能性が高いということです」(日東電工の広報担当者)

 謎のファンド・OD05の正体は、「中国の政府系ファンド」だというのだ。しかも実はこのファンドが買っているのは、日東電工だけではない。わかっているだけでも日本企業86社、それも日本を代表する大企業ばかりの大株主となっている(次ページ表)。

 OD05の調査・分析を続けているちばぎんアセットマネジメント顧問の安藤富士男氏も「OD05は中国の政府系ファンドと見て間違いない」と言う。

「去年の3月まではファンド名にチャイナという言葉があったのに、いまはそれが外れている。中国政府が日本株を買い漁っていると知れれば、日本国内でハレーションが起こる。それを避けたかったのでしょう」

 さらに安藤氏はこのファンドの「特異さ」を次のように指摘する。

「中国政府は'08年頃に『将来は幅広く日本企業株を買い進めたい』と発表、その時期からOD05の名前も出てきた。'09年3月期末には日本株13銘柄、時価総額で1560億円ほど投資していたが、1年後には35銘柄同約6240億円、さらに半年後には86銘柄、同1兆5000億円ほどに投資を激増させている。まだ表には出てきてないが、水面下でほかにも多くの日本株を買い進めている可能性は非常に高い。

 大株主になれば議決権が行使でき、役員の選任などでも意見を言うことができる。それなのにこのファンドはまだ、企業に対して注文を出したり、アクションを起こしたりしていない。いつ物言う株主としてその本性を現すのか、非常に不気味なんです」

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