細川元首相の影もちらつく野田佳彦内閣と民主党新執行部の人事から分かる4つの特色
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 9月2日午後の発足した野田佳彦政権と民主党新執行部のラインアップを見ると、4つの特色が挙げられる。キーワードと言ってもいい。1.松下政経塾2.旧日本新党3.バランス人事4.財務省---である。

 先ずは松下政経塾出身者。政府側から野田首相(第1期生)、玄葉光一郎外相(8期生)、長浜博行官房副長官(政務担当・参院議員=2期生)、松原仁国土交通副大臣(2期生)、党側から前原誠司政調会長(8期生)、樽床伸二幹事長代行(3期生)、武正公一財務委員長(5期生)である。

 次は、93年総選挙で日本新党から立候補・当選を果たしたのは、政府の野田首相、藤村修官房長官、中川正春文部科学相、長浜官房副長官、牧野聖修経済産業副大臣、五十嵐文彦財務副大臣、党の前原政調会長、樽床幹事長代行である。

 三番目のバランス人事だが、改めて指摘するまでもなく、小沢一郎元代表に近い輿石東参院議員会長を政権党幹事長に起用したことは特筆すべきことである。輿石氏は小沢系と言えるが、実は小沢氏のかつての後見人であった故金丸信元自民党副総裁に近かった。金丸氏との緊密な関係を築くことができたのは、輿石氏のボスであった故田中一郎元日教組委員長の紹介による。

戦後二人目の首相秘書官人事

 それはともかく、「カネ、公認権、人事」を握る幹事長に輿石氏を起用せざるを得なかったにしても、幹事長代行に非小沢の樽床氏を据え、「小沢間接支配=輿石支配」に歯止めをかけている。加えれば、筆頭副幹事長に親小沢の鈴木克昌前総務副大臣(「一新会」会長)を指名するなど心憎い配慮が見られる。と同時に、党資金の管理を担う財務委員長に武正氏を配置しているのだ。

 一方、絶大な権限を与えられた党政策調査会の会長に前原氏を起用、そして仙谷由人前官房副長官を会長代行に指名して前原支援体制を確立したうえで、会長代理に小沢氏側近の三井辨雄前国土交通副大臣を起用している。さらに付言すれば、前原・仙谷ラインの強力化を危惧する声が小沢グループ内から噴出したと見るや、野田首相は最高意思決定機関として政府・民主三役会議の設置を発表した。

 すなわち、野田首相、藤村官房長官、輿石幹事長(親小沢)、前原政調会長(反小沢)、樽床幹事長代行(非小沢)、平野博文国対委員長(親小沢)の6人から成る同会議の構成メンバーも絶妙な人選である。

 四番目の財務省について。多くのメディアが「野田"財務省"政権」と書いていることでも分かるように、「10年に1度の大物次官」である勝栄二郎財務事務次官率いる財務省が野田首相を全面的にバックアップする強い意向であることは事実である。

 首相秘書官(事務担当)に大田充前主計局次長を送り込んだことからもその意欲は容易に見て取れる。太田氏は1983年入省組のトップランナーであり、主計局次長が首相秘書官に起用されたのは戦後2人目である。

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