クラウド・ディバイス --- 日本の選択2 アプ・エコノミーで善戦する「アンドロイド戦略」
アンドロイドの生みの親、アンディー・ルビン氏(VP、Engineering、Google)

 前回は、クラウド・イノベーションが4つの段階をへて、発展してゆくことに触れた。しかし、IT企業の現場では、既存システムと戦いながらクラウドが発展している。たとえば、アプリケーションでは、パッケージ・ソフトやクライアント・サーバー方式と戦い、ネットワークでは老朽化したIPプロトコルや、なかなか進まないモバイル・ブロードバンド整備と格闘している。

 こうした課題にもっとも正面から挑んでいるのが、グーグルだろう。とはいえ、その戦略は現実の厳しい状況に合わせて臨機応変に変化し、時としては遠回りをしながら進んでいる。今回は、こうした状況を踏まえ、グーグルのクラウド・ディバイス戦略を分析してみたい。

グーグルのディバイス戦略はアンドロイドにあり

 まず、結論から述べてみよう。グーグルはクラウド・ディバイス戦略でも、パソコンと同じようにブラウザー至上主義を考えていた。しかし、その戦略をアップルが阻んだ。同社の展開するiPod、iPhone、iPad、iTunes戦略が大成功し、モバイル・ディバイス分野ではアプリケーション・エコノミー(以下、アプ・エコノミー)が急速に広がったからだ。

 そのため、グーグルのクラウド・ディバイス戦略は、ブラウザーではなく"モバイルOS"を重視する、遠回りを余儀なくされている。この背景を考えると、

1)グーグルが自社モバイルOS"アンドロイド(Android)"の普及に力を入れているのは、アップルが切り開いたアプ・エコノミー戦略が広く普及して、競争となっているため。

2)そのため、グーグルはアンドロイドで、アプ・エコノミー路線を走っている。その延長線上で、アプリケーション・ストアーの充実や携帯/家電メーカーとの連携を展開している。

3)とはいえ、アップルやマイクロソフトとの差別化を狙い、アンドロイドにおいてもクラウド型アプリケーションを充実させようとしている。

4)ソフトウェア開発やデータセンター運営に弱い日本のハード・ベンダーは、グーグルやマイクロソフトが提供するプラットフォームでクラウド・ディバイス開発を進めることになるだろう。とはいえ、より深くクラウド・アプリケーションを理解しなければ、韓国や中国などのハード・ベンダーとの競争には勝てない。

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