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完全保存版 知っておきたい
男女別治りにくいがんランキング

 このがんは治るのか。いつまで生きられるのか---。自分が、家族が病魔に冒されたとき、きっと誰もがそう思う。危険と向き合って冷静に乗り越える知恵を、第一線の専門家たちが教えます。

5年生存率がわずか4%

 がんが発覚してからわずか3ヵ月で死ぬ人もいれば、3年、5年、あるいは10年以上生き続ける人もいる。治るか治らないかの判断は、素人にはつけがたい。

 とはいえ、統計によって全体的な傾向を知ることはできる。その指標となるのが「5年生存率」だ。

 国立がん研究センターがん統計研究部長で医学博士の祖父江友孝氏が語る。

「データは、地域ごとに登録されたがん患者数によるもの、病院単位のもの、臓器別の学会ごとのものなど複数あり、それぞれで若干の違いがありますが、地域がん登録の全部位のがんの5年生存率は、男女を合計して53%くらい。つまり、すべてのがん患者の半数超が、5年は生きていることになります。

 ただし、男女間での5年生存率に差がある。男性は約49%、女性は約57%で、女性が8%も高いのです」

 つまりこの分だけ、男の方が女よりがんで死ぬ確率が高いことになる。なぜ、このような差が出るのか。外科医で抗がん剤治療専門家の平岩正樹氏が言う。

「男性の生存率が女性より低くなる大きな理由は、男性には喫煙者が多いため、治りにくい肺がんに罹る人も多くなるから。一方で、罹患者のほとんどが女性の乳がんは治りやすい。喫煙や飲酒の影響が考えられる食道がんも、男性の方が圧倒的に多く罹患する。だから、全体として女性が治る率の方が高くなっているのです。

 ただし、治りにくい胆嚢がんや胆管がんは世界的にも女性の方が多い。理由はわかっていません」

 では、平均して女性より男性のがんが治りにくいのであれば、個々のがんについてはどうか。本誌編集部では今回、複数の専門家から提供されたデータをもとに、右表のように男女別の「治りにくいがんランキング」を作成してみた。

 男女とも1位は膵臓がん。共に5年生存率はわずか4~5%しかなく、「治りにくさ」という点では他のがんを圧倒している。要するに、20人の膵臓がん患者のうち、5年後に生き残っているのはわずか1人という、難治がんの代表格なのだ。