野田政権発足1週間。前原・仙谷・藤井トリオの「責任分担型」内閣は増税をめぐって「責任回避・混乱型」になるのか
〔PHOTO〕gettyimages

 野田佳彦政権が発足して9日で一週間になる。

 閣僚や副大臣、党人事などが一段落して政権の枠組みが固まった。肝心の政策決定について、野田首相はどうやら菅直人前首相の「独断専行・失速型」を排して「責任分担型」を選んだようだ。

 それは前原誠司政調会長と仙谷由人政調会長代行、藤井裕久党税制調査会長を決めた人事、そして最重要課題である増税問題をこの3人のラインに丸投げした点に表れている。野田は予算案と法案、条約案について閣議決定の前に政調会長の了承を前提とする方針も決めた。

 藤井は党税調会長を引き受けるに際して事実上、前原から一任を取り付けたようだ。増税問題については藤井が事実上、取り扱いの決定権を握る責任者である。

法的根拠がない国家戦略会議

 これとは別に、野田は古川元久を経済財政相兼国家戦略相に据えた。古川は大臣就任後の会見で民間人を含めた「国家戦略会議」の創設に言及している。既存の経済財政諮問会議を看板の付け替えで復活させる構想であるようだ。

 だが、こちらは政策決定の本筋ではない。名前が立派だから政権の司令塔になるかのように見えるが所詮、政権の見栄えをよくする舞台装置の域を出ないだろう。

 それには理由がある。

 そもそも国家戦略室自体がさっぱり機能していない。

 国家戦略室は当初、脱官僚・政治主導路線を実現する要の組織になるはずだったが、既存の内閣官房や内閣府、さらには内閣官房長官との仕事の切り分け、権限を決められなかったために、かけ声とは裏腹に盲腸のような組織になってしまった。

 いまだに設置根拠は「内閣総理大臣決定」のままであり(閣議決定が設置根拠と報じた新聞もあるが誤り)根拠法がない。言い換えれば、首相が「置きたい」というから置いているだけで、霞が関からみれば「あってもなくてもいいお飾り組織」にすぎないのだ。

 もしも、この国家戦略室を土台に国家戦略会議をつくるとなると、再び国家戦略会議の設置根拠が問題になる。またまた内閣総理大臣決定でつくるなら、お飾りのうえにお飾りを重ねるようなもので、それこそ、そこらの政府審議会と変わらなくなる。

 霞が関からみれば法的権限がないのだから、司令塔でもなんでもない。大臣や有識者のおしゃべり会議である。

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