学校・教育
受験直前!カリスマ教師が明かす麻布中学「国語」を解く技(スキル)
「神技」田代敬貴が指南する国語攻略法 第3弾

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 さていよいよ受験本番が目前となった。ここで「私の選ぶ良問」として麻布中学校(以下、麻布)の問題をとりあげよう。

 麻布の国語は、物語の長文一題を読ませて記述形式で答えさせるのが基本で、制限時間六〇分、六〇点満点のテストである。課題文は良質のものが多く、設問は、部分解釈をふまえさせたうえで作品全体のテーマに迫る問いで完結させるという構成をとっている。

 こうした麻布の問題は以前から高い評価を得ており、良問と呼ぶに値する問題も多く存在するのだが、今回は一九九九年度の問題をとりあげることにした。やや古典的、教訓的なテーマの文章だが、謎解きの楽しさが味わえる、文学的国語教育にうってつけの教材である。この授業を受けて帰宅した生徒が、母親をつかまえてえんえんと物語の解説をしたという話は何度も聞いたことがある。

 では、さっそく問題文を紹介することにしよう。出典はマーガレット・マーヒー著『空中の王国』(青木由記子訳)で、七〇〇〇字を超える長文である。

 舞台は「数多くのおとぎ話をふちどる霧のなかから時おりぼんやり姿をあらわす」町、フッキーウォーカーである。主要登場人物は三人。舞台芸術学校のダンサーである、ブライトンとアントワーヌ。そして、農場の羊を食べようとしてトラブルを起こすオオカミたちの王である。

田代 敬貴 著
『田代式 中学受験 国語の「神技」』

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 ブライトンは「ほっそり」して、毎日練習をする、「優美」で、「上品」で、「格調の高さ」にあふれる「偉大」なダンサーである。しかしながら、「うぬぼれとは無縁」で「生活は単純」、さらには「ボランティア」精神にあふれた人物である。

 彼が踊るとすべての生き物たちが魅了されるというソロの演目は「さびしい森の高貴な野蛮人」である。この奇妙な題名には物語の謎を解く鍵がかくされている。

 一方、アントワーヌは「食べすぎ」で「太め」の「練習をしない」ダンサーで、「嫉妬」にみちた「底意地の悪い」「悪者」である。そしてオオカミの王はというと、自分たちが「自然の偉大な仕組みの一部分」として羊をぬすむのは仕方のないことだと思いつつも、「生きるということには家畜の略奪以上の何かがある」にちがいないと思い悩んでいる存在である。

 ここまでの説明で、もう筋書きの読めた方もいらっしゃるだろうが、簡単にストーリーをまとめておこう。