田原総一朗のニッポン大改革

田原総一朗×竹中平蔵対談 最終回「日本企業がサムスンに勝つために」

成功のロールモデルをつくろう

2011年01月11日(火) 田原総一朗
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田原 よく言われるのは、日本は国内での競争が激しすぎるから国際競争力を持つだけのゆとりがないということです。たとえば電機メーカーですね。これについてはどうですか。

竹中 そういう言い方があるんですけども、全面的にはちょっと賛成できないんです。なぜならば日本の自動車メーカーはなぜ強くなったかを考えて欲しい。それは9社でしのぎを削ったから強くなったんです。1970年代、60年代の終わりくらいに、通産省が集約しろと動いたことがある。9社も多すぎる、アメリカでも3社しかないじゃないかということで、集約を試みたことがあるんです。

田原 あ、やったことがあるんですか。

竹中 でもそのときに日本の自動車メーカーは反発して、結果的に競争してそれで強くなっていったわけです。むしろ電機メーカーが一緒にならないのは、株主の力が弱いからだと私は思いますよ。株主がちゃんとガバナンスをやれば、こんな状態じゃなくてサムスンに対抗できるようにやろうという働きが起こるはずですよ。

田原 これは竹中さんが仰ったのかも知れないけど、97〜98年にアジアで通貨危機が起きた。韓国も直撃しました。そのときに金大中が会社を整理したんですね。だからいまやサムソン1社の利益が日本の全電機メーカーの利益よりも大きい、こうなっちゃってると。では日本はどうすりゃいいんだろう。

竹中 理想的には関わっている金融機関とか、株主乃至は経営者自身が、自分たちの利益のためになるなら一緒にしようと動き出すべきですね。ただし、こういう状況だから政府が乗り出さなきゃいけないという議論は、私はどこか胡散臭いと思いますよ。政府がそんなことを主導してうまくいくのかと、ダイエーを潰すまいとしてあのとき走り回った人たちにそんな見識があるのかと、私自身は思いますね。

 結局ゾンビを生き返らせているからこうなるわけです。どこかが潰れることによってどこかが大きくなるわけですね。JALがきちっと整理されれば、全日空が大きくなって世界で活躍できたんです。今やっていることは企業を救って産業を潰すことです。

田原 なるほど。

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