30代のリストラ「早期・希望退職の非常な現実」
ついに切られる!JAL1万5000超の人員削減も、他人事じゃない

「会社に残ってもボーナスは出ず、給与はさらに下がる。といって、他業界にすぐに転職できるわけでもありません。はっきり言って、リストラが怖いです」

 1月19日に経営破綻した日本航空(JAL)の30代社員は、そう溜息を漏らす。JALは、今後、再生計画に沿って、グループ全体の3分の1にあたる1万5000人超の社員を削減する予定だ。社員には、早期退職・希望退職という名の過酷なリストラが待ち受けている。

 そんなJALのリストラも、けっして他人事ではない。近年の不況の影響で、業績が悪化し、人員削減を進める企業が急増しているのだ。東京商工リサーチの調査によると、'09年に早期・希望退職を実施した主な上場企業は191社(募集人数の合計は2万2950人)に上る。これは、中高年を対象にしたリストラが加速した'02年の200社(同3万9732人)に匹敵する規模だ。そして、最近は、ソニー、三越、USENといったように、30代社員を含めて早期退職を実施する企業が目立つのが特徴だ。

「かつて早期退職と言えば40代~50代が対象で、30代は、企業の将来を担う中堅幹部として、クビ切りの対象から外されることが多かった。だが、今は、企業に『10年後の幹部を育てる』などと言っている余裕がなくなっているのです」(人事コンサルタントの城繁幸氏)

 実際、切られた社員はつらい現実に直面する。中堅IT企業を'09年9月末に早期退職した元システムエンジニアの大田健司さん(仮名、37)は、こう語る。

「エンジニアの需要が減っているうえ、この年齢なので、再就職先を探すのも難しい。3カ月の割増退職金もすぐになくなってしまいました」

 大田さんは、激務が続くなかで体調を崩し、4カ月間休職した経験がある。復職後、後輩のサポート業務にまわっていたのだが、ある日、役員と人事部長に呼び出され、「全社員を対象にした早期退職を実施する。整理解雇になると、早期退職の割増金は出ない。よく考えて欲しい」と告げられた。

 淡々と事実だけを繰り返す人事部長の話に、大田さんは「どうせ残れない」と思い、転職先も決まらないまま、早期退職を受け入れた。当時の年収が600万円ほどだったため、月18万円程度の失業保険が出た。現在は、失業保険と妻の収入で、小学生の子供二人を養い、住宅ローンを支払っている。月の小遣いは1万円。失業保険の支給が止まる前になんとか職を見つけたいと語る。