シリコンバレーで噂される
ドットコム・バブルの再来

ニューヨーク・タイムズ(USA)より USA

2010年12月29日(水)

いま、ITベンチャー企業に巨額の投資が集中している。
10年前のバブルを彷彿とさせる状況に懸念もあるが・・・。

 ドットコム・バブルが弾けてから約10年。このところ、シリコンバレーで再びバブルが起きているのではないかという懸念が広まっている。創業間もないベンチャー企業が、投資家から多額の資金を次々と集めているからだ。

 たとえば、ツイッターのようなメッセージを社内で送信できるサービスの「ヤマー」は最近、投資家から2500万ドル(約21億円)を調達。ミニブログサービス「タンブラー」は、3000万ドルを手にしている。特に最近では、一部の富裕層が趣味としてIT企業に投資しており、競争を激化させているようだ。

 著名なベンチャー・キャピタリストのフレッド・ウィルソンによると、特にここ6~9ヵ月間で、人気のある若いベンチャー企業をめぐり、我先にと資金を投じる気運が高まっているという。同氏は、「こうした局面が平和のうちに終わったためしがない」と述べている。

ニューヨーク・タイムズ(USA)より

 ただ、現在の投資熱が10年前とは異なる点がいくつかある。まず、今回は株式が高騰しているわけではない。

 ベンチャー企業は株式市場ではなく、マイクロソフトやアップル、グーグルといった多額のキャッシュを保有する大手IT企業からの資金調達を目指すようになっており、上場していない場合が多い。ちなみに、前述の3社は合わせて約900億ドルのキャッシュを持っているとされる。

 また、投資件数は大幅に増えているが、その金額は以前より抑え気味になっている。開発コストの低下により、事業を軌道に乗せるまでの資金が以前ほど必要ではなくなっているためだ。

 動画共有サービス「ユーストリーム」などに投資しているジェフ・クラヴィアーは、「大きなバブル崩壊はないかもしれないが、今後、血と涙がたくさん流れることになるだろう」と警告を発している。

「いずれはイス取りゲームの音楽が止まり、資金調達を受け取るための全員分の"イス"がないということに気づかされるだろう」
 

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