堅調な展開が予想される資源国通貨
資源国通貨の代表格である豪ドル〔PHOTO〕gettyimages

 8月初旬、資源国通貨の代表格である豪ドルは、一時、70円台後半まで急落した。その背景には、米国債の格下げなどによって、多くの投資家が保有するリスク量を減らす、いわゆる"リスクオフ"のオペレーションを行ったことがある。それに合わせて、ヘッジファンドなど大手投機筋も、豪ドルの利益確定売りを行ったとみられる。

 その後、金融市場が落ち着きを取り戻すにしたがって、主要資源国通貨が買い戻され堅調な展開になっている。既に、豪ドルは対円で84円台(8月31日現在)になっている。これからも、資源国通貨は、基本的にしっかりした展開が続くとみられる。

 穀物やエネルギー資源に対する需要の中心は、少しずつ先進国から中国等の新興国へと移っており、新興国の景気が大きく落ち込まない限り、主要資源の価格は大きく下落する可能性は低いと見た方がよさそうだ。ということは、これからも資源国通貨はしっかりした展開になる可能性が高いとみる。

先進国から新興国へと中心が移動している

 われわれが足元の世界経済の状況を考える時、まず頭に入れて置くべきポイントは、産業経済の中心が欧米などの先進国から、中国・インドなどの新興国に移行していることだ。多くの人口を抱える主要新興国が高成長をしていることもあり、世界の生産・消費活動に占める新興国の割合は過去数年間で大きく高まっている。そうした傾向は、これからも大きく変わることはないだろう。

 ということは、仮に欧米諸国の景気減速が鮮明になったとしても、それだけで穀物やエネルギーなどに対する需要が直ぐに落ち込むことは考えにくい。何故なら、主要新興国の景気がよほど落ち込まない限り、新興国の需要増大が、先進国の需要減少分を補ってしまうからだ。そうした世界経済の構造変化のスピードはかなり加速しており、そうした変化を頭に入れて置かないと、景気の先行きを読むことも難しくなるかもしれない。

 さらに、今年は米国の天候不順などの影響があり、穀物価格が下がりにくい状況になっているようだ。そうした条件を総合的に考えると、資源関連の価格は底堅い、しっかりした展開が続くとみられる。

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