もう遠慮はしない
東京地検特捜部が読み始めた
「菅直人の資料」

史上サイテーの総理大臣でした 〔PHOTO〕gettyimages

  水に落ちた犬を叩け---退陣する菅直人首相が、東京地検特捜部の「標的」になった。

「縮小した独自捜査部門のネタ探しに必死の東京地検特捜部が、蓄積してきた数ある『政治とカネ』案件に菅直人首相の案件を追加したようだ。一部の特捜幹部は菅首相の資金管理団体の不可解なカネの動きに関心を示し、すでに関係資料を読み始めている」(全国紙社会部デスク)

  事の発端は8月11日にさかのぼる。この日行われた参議院予算委員会で質疑に立ったのは、税理士資格を持ち政治資金分析に定評のある自民党の西田昌司参院議員。菅首相をこう問い詰めた。

「残高がマイナスになることはありえない。収支報告書の記載はでたらめだ」

  舌鋒鋭く迫った西田議員に対する菅首相は、
「まだ足し算も引き算もしていない。必要であれば(調べて)報告する」
としどろもどろだった。

  国会質問は普通、相手方に事前に通知して行うが、西田議員はこの〝爆弾〟を事前通知なしでぶつけている。ちなみにその日は法務省の西川克行刑事局長が別件の政府参考人として出席していた。

  当の西田議員が語る。

「私が追及したのは、菅首相の資金管理団体『草志会』に絡む問題。ここの収支報告書を丹念に調べ、いつどんなカネが入り、出ていったかを整理し直した。すると残高が赤字になっているのに、数百万円単位の献金を行っているということがわかった。借入金の記載はない、ではこのカネはどこから出たのか。あるいは本当に寄付されたのか。そこで虚偽報告ではないかと問い詰めたんです」

  結局その場は「虚偽報告というのは取り消せ」と言う菅首相と、「政治資金虚偽報告だ。虚偽の寄付金なら脱税になる」と言う西田議員が互いに譲らず、議論は平行線をたどった。

  元最高検察庁検事で筑波大学名誉教授の土本武司氏はこう指摘する。

「帳簿上では赤字なのに、寄付をしているというのは異常事態。収入をきちんと記載していない可能性がある。捜査は簡単、会計書類をすべてチェックすれば、おのずと事実関係は明らかになる。政治資金規正法違反として立件するのはそれほど難しくない」

  これとは別に検察はいま、今春に問題化した菅首相の「外国人献金」について告発を受理、すでに捜査を開始している。

「となれば西田氏の追及した〝疑惑〟と合わせて、菅首相周辺のカネの流れを洗うことになる。もう遠慮はしないということだろう」(前出・デスク)