雑誌
吉原 清児:著 『医師がすすめる「最高の名医」+治る病院』 軽症うつ病・心身症/心理療法+薬物治療
山岡昌之(九段坂病院 副院長兼心療内科部長)
やまおか まさゆき 47年、東京都生まれ。73年、東京医科歯科大学医学部卒業後、同第一内科。77年、国家公務員共済組合連合会九段坂病院。
心療内科医長、同部長を経て07年より現職。
 
09年日本心身医学会総会長、第1回日本心身医学5学会合同集会運営委員長。10年日本摂食障害学会総会長。第6回ヘルシー・ソサエティー賞(医療従事者部門)受賞。
心身医学の大家だが、現場一筋の生き方を貫き通し、患者。家族からの信頼絶大だ。

「身体と心」を診る専門治療で1万人以上の患者を見守る

[取材・文:吉原 清児 写真撮影:森 清]

働き盛り男性がある日突然うつ病に

 年間の自殺者数が12年連続して3万人を突破(09年)---この衝撃的な数字の背後に潜むのは、うつ病患者の急増である。通院患者数100万人以上。しかも、潜在的な患者にいたっては日本中に400万人とも600万人ともいわれている。

 適切な治療を受けることなく、症状が悪化することで起きた"悲劇"は数しれない。逆に言えば、うつの兆候が現れた場合は、早期に専門的な医療機関を訪れることが望ましい。

がん、脳卒中、心臓病からメタボ、うつ、腰痛、目、歯の病気、不妊症、EDまで、 日本人に多い10の病気の名医と全国の実力病院を紹介!
名医シリーズ最新版!

吉原清児・著+講談社セオリープロジェクト・編
『医師がすすめる「最高の名医」+治る病院』

(講談社刊、税込み1,500円)
発売中
⇒本を購入する(AMAZON)

 心身医学の第一人者、東京・九段にある九段坂病院副院長兼心療内科部長の山岡昌之医師は、この道32年。人一倍の熱意と共に、この世界では評判の治療上手だと知られている。

 ある午後に訪ねると、山岡医師が、

「この10年、一生懸命働いていた人が、ある日突然うつになるケースが急増しています」

 と語り、さらにつづける。

 「中でも特に目立つのは、40代後半から50代のサラリーマン。多くは若い時から真面目に頑張り続けてきたタイプです。仕事の経験も実績も十分あるが、彼らを取り巻く環境が急速に変わりました。

 終身雇用や年功序列が見直され、社会全体が成果主義に傾く今、能力重視による中途採用や早期退職制度を導入する企業が増えています。

 その中で自らを奮い立たせながら仕事を続けても、自分のやり方と業務方針都の間にギャップを感じたり、IT社会にうまくなじめない人が少なくない。その結果、自信の喪失、気力も体力も低下して、うつ病へ近づいていくというのが典型的なパターンと言えます」

 働き盛り世代に、こんなケースがある。