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吉原 清児:著 『医師がすすめる「最高の名医」+治る病院』 虫歯・歯周病 歯周治療+インプラント治療

石川知弘 石川歯科 浜松ペリオ・インプラントセンター院長

 5-Dという名の由来は、デンティスト(歯科医師)5人の集まりという意味だ。ほかの4人の顔ぶれは、船登彰芳・なぎさ歯科クリニック(石川県)、北島一・北島歯科医院(静岡県)、南昌宏・南歯科医院(大阪府)、福西一浩・福西歯科クリニック(同)。いずれも「街の歯科クリニック」だが、治す腕にかけては超一流なのである。石川医師が語る。

「5-Dのもう一つの意味は、デンティストリー(歯科医術)5分野、すなわち歯の根幹(神経・根)治療、歯周病、インプラント、歯科用顕微鏡を利用した精密治療(次ページ写真下)、審美性を最優先する審美歯科という5つの最新治療を指します。得意分野の異なる専門家5人がスクラムを組んだ我われの集まりは、『歯と口の健康を守る』という考え方のもと、最善の歯科治療を提供することが第一の目的です」

 中でも石川医師は、歯周治療、インプラント治療では国内でも屈指の名医として知られる。

 歯周病で歯を失った場合、インプラントで歯を入れるだけでなく、残った歯の治療をしっかり行うことが重要だ。かつては救えなかった歯も、現在は再生療法によって保存できるようになり、インプラント治療によって機能と審美を回復できるのだ。

リアルな人工歯で総入れ歯の危機を回避

歯科治療用の顕微鏡装置は、歯の術部を最大20倍まで拡大視できる。一番威力を発揮するのは、歯の根の治療だ。「見えないものを見えないまま治す従来の方法と比べて、治療の精度が格段に高まりました」

 1960年生まれの男性A氏は、46歳の時、上の前歯2本が抜け、石川歯科を紹介された。歯周病の悪玉菌によって歯を支えている骨の一部や歯肉が破壊される重症歯周炎だった。

 しかし、まだまだ先の長い人生がある。A氏が強く希望し、約2年がかりで石川医師の得意な歯周形成外科治療が始まった。

 この治療は次のような流れである。

 まず、歯の根部分の骨と歯肉から口全体の状態を判定したところ、この男性は、上の前歯1本を除き、上下の歯すべてが修復不可能だった。そこで、CTとコンピュータシミュレーションソフトを駆使した治療計画が作られた。ここまでが第一段階だ。

 次に、通算1年10ヵ月を要した実際の治療プロセスでは、①抜歯と同時に、歯肉の状態を整える目的で上下に仮歯装着→②抜歯3ヵ月後には下顎の骨中にインプラント(人工歯根)6本埋入→③その3ヵ月後には上顎にインプラント10本埋入→④骨と人工歯根との結合を待って、埋入7ヵ月後に下顎、同8ヵ月後に上顎にも二次手術(歯冠とのジョイント部分の結合)を施行後に、固定性の仮歯を装着→⑤そのまま8ヵ月暮らした後、今度は見た目も健康的でリアルな人工歯茎付きの「歯」を取り付け、終了。

 おかげでA氏は40代後半にして総入れ歯という歯の運命を変えられたばかりか、人並み以上に「丈夫な歯」を手に入れたのだ。また、最新治療のその流れの中では一流歯科技工士による高度な技が存分に発揮された。

 石川医師はいう。「見事な歯と歯茎に仕上がりましたが、全部作り物です。5ヵ月がかりでそれを作ったのは、長年のパートナーでもある歯科技工士でした。歯科技工士の世界も、日本のトップは世界でもトップレベルです」